連載記事:細川珠生の「ママは政治1年生」
子育てや親の介護にも関わる一億総活躍社会って何? 【第2回 細川珠生の「ママは政治1年生」】
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東京では桜の開花が進み、すっかり春。そして新年度ですね! 気がつけば、始まったばかりと思っていた平成28年も、もう4分の1が終わってしまい、子育てにアタフタとしている間に、どんどん時は過ぎていきます。子供も進級の時期を迎え、新しい学年、新しいクラス、大丈夫かしら…と、母親としてもちょっとドキドキのこの季節。
でも、無事に新年度が迎えられた人はとても幸せなのかもしれませんね。産休・育休から仕事復帰を希望しても、保育園への入園がかなわず、復帰が遠のいたり、退社せざるを得ない人も少なからずいるということを考えると、つくづく子育てをしながら、自分のキャリアを築いていくことは本当に大変なのだと気づかされます。
安倍政権でも、3年前の発足当初から「女性の活躍推進」を大きな政治目標にし、女性の採用率や管理職への登用率などに企業が数値目標を立てるよう進めてきたけれど、女性の立場からすれば、社会にでる以前の問題があり過ぎて「まずそこを何とかしてよ!」と思ってしまいます。
そこで、国は「一億総活躍推進」を掲げました。「50年後も人口1億人を維持し、一人ひとりが自ら、家庭で、職場で地域で生きがいを持って、充実した生活を送ることができる社会」と“定義”される「一億総活躍社会」は、女性という枠にとらわれず、もう一歩進めようというものです。
そのために、「新三本の矢」を放つというのが、安倍政権の方針。それに沿って、この4月からの平成28年度予算にも、重要な柱の一つとして「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連予算が組まれています。
その額、合わせると約2兆円! 教育や防衛費が約5兆円であるのと考えると、結構な額。それだけ国も力を入れているということですね。確かに、「一億総活躍社会」は理想的。でも現実とはあまりにかい離していて、少々反発も起きているのは、皆さんもご存じの通りでしょう。
とはいえ、それだけ国が力を入れる「一億総活躍社会の実現」のために、具体的にはどのような対策を進めているのか、私たちも知識としてインプットしておきましょう。
「アベノミクス新三本の矢」で、直接私たちに関係してくるのは、主に「第二の矢・夢をつむぐ子育て支援」と「第三の矢・安心につながる社会保障」です。
目標は「希望出生率1.8の実現」と「介護離職ゼロ」。
具体的には下記などの政策があります。
・待機児童対策(平成29年度末までに受け皿50万人増)
・保育士の確保(待遇の改善等)
・教育費の負担軽減(大学生等向け無利子奨学金の充実)
・三世代同居の推進(住宅改修等の費用の補助)
・介護人材の確保や施設・在宅介護サービスの充実
残念ながら、私自身は、これらが“効果バッチリ”の策だとは、実は思っていないのです。
その理由を、いくつかの例で挙げてみましょう。