フランス人は、演劇で子どもの「恥ずかしがり屋」をなおす
■習い始めて5ヶ月、ようやく入れた教室で見たものは
発表会では、まずはウォーミングアップということで、親も参加する場が持たれました。子どもとその両親全員が小さな舞台にのぼって輪になり、1人1人名前を言いながら輪の真ん中に進み出て、終えたら元の位置まで下がるということを繰り返していきます。
ニコニコしながら名前を言うのも良し、厳しい面持ちで言っても良し、落ち着いた様子で言っても良し。自分の感情を表現しながら堂々とふるまい、発話することが目的なのです。
子どもも大人も含め25人くらいが様子を見守る中、自分の番はたった5秒程度のことなのに、それでも「人前で何とかうまくできた」という達成感の大きさに驚きました。
続いて、教師のストップの合図があるまで輪を描きながら皆で歩き、指示を受けてから一斉に動きを止めるという練習をしました。指示の内容は、「怒りながら隣りに止まった人をにらむ」、「優しく隣りの人の肩に右手をかける」、「悲しい顔をしながら隣りの人の顔を覗き込む」といった具合に、毎回変わります。ここでは、感情を表現しながらどんな風に人と接するのか、という自分なりの姿勢について考えさせられました。
そこからは子どもたちだけで輪になり、先生の太鼓のリズムにのって歩きながら合図とともに立ち止まり、キリン、ウマ、ヘビ、ゾウなどを、体全体を使って思い思いに表現して見せてくれます。十人十色とはまさにこのことで、誰ひとりとして同じ表現をする子どもがいないことを実感しました。
続いて、「水の中にいるものは?」という先生の問いかけを受けて、1人ずつ前に出て表現するということをしました。人魚、ワニ、魚、滑り台など問いかけに対するさまざまな答えを、子どもたちが表現していくのです。