フランス人は、演劇で子どもの「恥ずかしがり屋」をなおす


■自己表現することで自分を受け入れ、信頼できるようになっていく

最後に少し長めの「1人だけの見せ場」として、舞台に置かれたひとつの風船を取りにいき、風船と一緒に飛んだり動いたりするというお題を与えられます。舞台の裾からすでに走ってくる子もいれば、のそのそと出てくる子もいます。また、風船に引っぱられてどんどん速く走って去っていくさまを表現する子がいれば、笑いながら空を風船で飛ぶ様子を表現する子もいます。

つまり、フランスの演劇教室とは、演技力を身につけるのではなく、ほかの人の表現を見ながら、「自分はこうしよう」という自己主張を身につける場所なのです。娘と一緒に発表をしていた子どもたちは皆、4歳~5歳の子どもたちでしたが、誰ひとりとして恥ずかしがらないところがとても立派だと思いました。

人前に立って話し、表現をすることは大人でも恥ずかしく、子どもならばなおさら勇気のいることです。そのプレッシャーを跳ねきって自己表現することに慣れていく過程では、自然と自分を受け入れ、自分を信頼できるようになるものです。また、それを見る他人に自分を委ねる以上、他人との信頼関係も築かれやすいのではないかと感じました。


5ヶ月間、わが子がテアートルで何をやっているのか誰も知らない、という謎は大きかったものの、先生のサプライズは結果的に子どもの成長の大きさを見せつけ、親たちにたくさんの感動をもたらしてくれました。幼稚園の先生からも「恥ずかしがらずに、本当に自己主張ができるようになった」と言われたのは、言うまでもありません。今後テアートルでは、年齢と共にセリフをつけながら表現する段階に入っていくようです。

フランスでは、役者を目指すわけでなくても大人向けのテアートルが一般的に存在します。いわば演劇を学ぶことは大衆文化。それほど自分の表現力を磨き、表現しきることに喜びを感じる人が多いということがわかりますね。


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