●連載の目次は
こちらから●
© hanack - Fotolia.com
息子を、発達障害専門クリニックである司馬クリニックで診てもらうことにした私。クリニックを受診するための問診票を書いて、診断日当日を迎えた。診察を受けて、いよいよ診断を「宣告」されると思っていたが…。
■診断を受けたときの様子(私の場合)
軽度の発達障害専門クリニックである司馬クリニックで、わが家は以下のような流れで診断を受けた。(クリニックによって違いがあると思うので、参考程度に)
・臨床心理士の親への聞き取り:約30分
・子どもの認知力検査:約1時間~1時間半
・医師と子どもの面談、診察(親が同席):約20分
・親への話:約30分
すべての診察が終わって、親への話の時に、司馬先生は、こんなふうにおっしゃった。「湧太くんをフォローする方法は、いろいろありますよ。クリニックに通って、少しその方法をお勉強してみますか?」
いよいよ診断名を宣告されると思っていた私は拍子抜けして、思わず聞いた。
「あの、先生、うちの子は発達障害なんでしょうか?」
「まぁ、そういうことではありますね」
と、サラリと先生はおっしゃった。
■診断は、対処法を知るためのもの
後になって、司馬先生に聞いてみたことがある。
「最初の診断時、先生は私が聞かなければ診断名をおっしゃいませんでしたよね? あれはなぜですか?」と。
先生曰く、「診断名を親御さんにお伝えするかどうかは、ケースバイケース」なのだそうだ。
発達障害をフォローする方法論は、かなり確立されている。診断があることで「これから何をするのか?」「どんな方法があるのか?」が見えてきやすくなる。
司馬先生は言う。「診断名をお伝えするということは、たとえるならば、“ここにいけば、便利な道具がたくさん売っているよ”という○○商店というお店屋さんの名前を紹介するような感じです」
けれども、診断がついた(お店の名前を教えてもらった)ということに、とてもショックを受けるお母さんも、もちろんたくさんいる。
「いろいろなお母さんがいらっしゃいますから、とくに診断名をお伝えしないのが私のスタイルなんですよ」と、先生は優しく教えてくれた。