2016年12月20日 12:00|ウーマンエキサイト

母乳の作られ方を知って授乳のコツをつかもう

本間 佳苗
ライター (ライター)
本間 佳苗
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赤ちゃんを母乳で育てたいと考えているママやプレママは多いですよね。母乳育児は、赤ちゃんにとってもママにとってもメリットがいっぱいです。

目次

・母乳が出るしくみって?
・プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンのはたらき
・赤ちゃんは最初から「母乳を飲む能力」がある!
・ママにも赤ちゃんにも優しい? 母乳の成分と母乳育児のメリットとは
・ママにとってもメリットはいろいろ
・母乳育児を成功させるコツ【1】授乳姿勢
・母乳育児を成功させるコツ【2】授乳のペース
・母乳育児を成功させるコツ【3】母乳にいい食事・飲み物
・「母乳が足りてない?」「ミルクを足すべき?」と思ったら
・母乳にこだわりすぎないのも大切


母乳育児のお悩み解決

©JenkoAtaman - Fotolia.com



その一方で、「母乳の出がよくない、赤ちゃんが飲んでくれない、授乳のタイミングが難しい……」といった悩みを抱えるママもたくさんいます。

そんなお悩みを解決するため、今回は母乳の出るしくみや母乳育児を成功させるコツをご紹介します。ママと赤ちゃんの状況に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。

母乳が出るしくみって?

そもそも、母乳はどうやって「出る」ようになるのでしょうか?

まずは乳腺(にゅうせん)の発達についてご説明します。妊娠すると胎盤から乳腺を刺激するホルモンが分泌されて、乳腺が発達します。妊娠期の前半でおっぱいが大きくなるのはこのためです。

一方で、このホルモンには母乳の生成をおさえるはたらきもあります。それでは、出産するとなぜ母乳が急に出るようになるのでしょうか?

プロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンのはたらき

出産で赤ちゃんと一緒に胎盤が排出されると、妊娠の維持に必要なホルモン環境が劇的に変化します。同時に、母乳を生成するプロラクチンの濃度がぐっと高くなります。

母乳の出るしくみ

©JenkoAtaman - Fotolia.com



プロラクチンの濃度は産後2時間くらいをピークに減っていきますが、その後は赤ちゃんが吸いついたときに濃度が上がるようになっています。

産後数週間は、赤ちゃんが吸いついて乳頭を刺激すればするほどプロラクチンの分泌量が増え、母乳の生産量も増えます。

また、プロラクチンの血中レベルは授乳開始から30分後が最も高くなります。これには、「次の授乳に向けて母乳を作る」という重要な効果があります。

また、赤ちゃんが乳頭に吸いつく刺激などによって放出され、たまっている母乳を外に出すはたらきをするのがオキシトシンです。オキシトシンには鎮静・リラックス作用もあり、授乳中に眠くなることや、愛着がわくのはこのためです。

赤ちゃんは最初から「母乳を飲む能力」がある!

もう1つ、母乳にとって重要な「赤ちゃんの持っている能力」について紹介しましょう。

赤ちゃんは生まれた直後から、静かに穏やかに抱かれていると自発的に「哺乳前行動」という一連の探索的行動をはじめます。そして自らおっぱいを探しだして吸いつき、初乳(しょにゅう)を飲むことができるのです。

おっぱいを飲んでいないときには、ママのおっぱいをリズミカルにマッサージしておっぱいを搾りだすように刺激します。乳頭、乳輪をなめたり吸ったりもします。

母乳育児のメリット

©JenkoAtaman - Fotolia.com



こうした赤ちゃんの手や口の調節的なパターンによって、ママのからだではオキシトシンの濃度が急上昇します。ママは五感を通じてそのしぐさを感じることで、赤ちゃんを愛おしく感じる「愛着形成」がなされます。

このように、母乳は赤ちゃんとママが「協働するパートナー」となって作られ、出産直後から出るようにできています。

ただしホルモンバランスには個人差や時間差もあるので、たとえば産後の入院中の段階で「出る」「出ない」などと焦る必要は全くありません。

ママにも赤ちゃんにも優しい? 母乳の成分と母乳育児のメリットとは

最近では母乳育児を推奨する産院も増えていますが、母乳育児にはどんなメリットがあるのでしょうか? 母乳の成分や、ママと赤ちゃんの心身への影響を見ていきましょう。

母乳の成分で特に大切なのが、出産直後から1週間くらい(人によっては10日頃までのことも)までに出る「初乳(しょにゅう)」です。

黄色っぽい透明な乳汁で、ママからの免疫や、成長因子がたくさん含まれています。妊娠末期に助産師さんに乳頭のマッサージをしてもらうと、じんわり出ることもあります。

出産後3~4日すると脂質や糖質が豊富に含まれた「成乳(せいにゅう)」に変わっていきますが、成乳にもママからの免疫は含まれています。赤ちゃんの成長に合わせて成分のバランスが変化するので、消化吸収がいいのも特徴です。

ママにとってもメリットはいろいろ

オキシトシンには子宮を収縮するはたらきがあるため、子宮の回復を助けて産後の出血を減らしてくれます。授乳はカロリーを消費するので産後太りの解消にもなります。

また「母乳育児の長期効果」というWHOの発表(2013年)によると、母乳育児には成人の高血圧、2型糖尿病、肥満などへの予防効果や、IQ(知能指数)上昇につながる効果があると示されています。

母乳育児を成功させると経済・社会的な面でも、ミルク代が浮くので経済的、災害や緊急時にミルクを確保する心配が要らないといったメリットがあります。

アメリカの研究では、生後6ヶ月の母乳率が80%となった場合、年間1兆円以上の医療費の削減となり、700~900人の乳児死亡を防げるという試算もあります。

母乳育児を成功させるコツ【1】授乳姿勢

「母乳の出が悪い」「赤ちゃんが吸ってくれない」「乳首が痛い」といったお悩みはありませんか?
その原因、実は授乳姿勢にあるかもしれません。

赤ちゃんが吸うことで母乳は出ます。そのため、赤ちゃんが大きな口を開けて深く吸いつけるような姿勢で授乳することが大切です。浅いと赤ちゃんは効率よく飲めませんし、ママの乳頭を傷つけてしまい一時的に授乳を中断しなければならなくなることも。

赤ちゃんにとっては、ママの体に触れ、おっぱいを飲み、安心して眠ることは最も幸せな体験です。

授乳には赤ちゃんが子宮外での生活に適応することをうながすはたらきもあるので、特に産後1か月までの赤ちゃんは、ママの胎内で全身くるまれていたように、体をまるごと包み込んであげることが大切です。

授乳をするときには、ママ自身もかつては同じように抱かれ、大切にされていたとイメージするといいでしょう。母乳はママの血液から作られるので、ママの体がリラックスした血流のいい状態であることも大事です。

母乳育児を成功させるための授乳姿勢は、次の2つのポイントをチェックしましょう。

母乳育児を成功させるコツ

©juan_aunion - Fotolia.com



【1】ママが楽な姿勢か


特に授乳初心者の方は、何かにもたれておこなう「リクライニング授乳」をしましょう。もたれずに授乳すると、肩・腰・背中などに負担がかかり、痛みやこり、血行不良につながります。背もたれのある椅子やソファに寄りかかって授乳してみてください。

【2】赤ちゃんの姿勢がねじれていないか


よくある間違いが、顔だけをおっぱいに向けている姿勢です。これでは赤ちゃんは首がねじれて苦しく、上手に飲めません。

赤ちゃんの耳、肩、おしりが一直線になるようにして、頭、肩、体をしっかり支えましょう。そして、おっぱいを赤ちゃんに近づけるのではなく、赤ちゃんをおっぱいに近づけます。

赤ちゃんの体をママと密着させて、顔を真っすぐおっぱいに向けるようにするのが成功のポイントです。

母乳育児を成功させるコツ【2】授乳のペース

授乳のペースは、「赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ」が基本です。

昔は「3時間おき」など時間でコントロールする考えもありましたが、今はユニセフとWHOによる『母乳育児成功のための10ヵ条』でも「赤ちゃんが欲しがるときに」が推奨されています。

というのも、母乳は先にご紹介したホルモンの作用により赤ちゃんが吸うことで作られるからです。また、時間を空けるためにミルクを足してしまうと、授乳間隔が空いてしまい余計に母乳が作られにくくなってしまいます。

とはいえ、頻回な授乳に疲れることもあるでしょう。そういう場合は無理せずミルクを取り入れてゆっくり休んでください。搾乳した母乳を、パパなど他の人から赤ちゃんに飲ませてもらってもいいでしょう。

搾乳するメリット

©nipol - Fotolia.com



搾乳した母乳は冷蔵庫なら5日以内、冷凍庫なら3~6ヶ月ほど保存できます。冷凍した母乳は冷蔵庫や流水でゆっくり解凍し、湯せんで温めて使いましょう。電子レンジは母乳の成分が破壊されることがあるのでおすすめしません。

逆に母乳が出すぎておっぱいが張ってしまう場合も、残った母乳を搾乳して出し切ることで乳腺炎などのトラブル回避になります。

母乳育児を成功させるコツ【3】母乳にいい食事・飲み物

母乳の出をよくするには、どんな食事や飲み物がいいのでしょうか?

母乳は血液から作られるため、ママの血行をよくすることがポイントです。そのため、まずは水分を多くとることを心がけましょう。授乳中、1日に必要な水分量は2~3リットルとされています。

水だけ飲むのはしんどいでしょうし体を冷やし血行が悪くなるので、温かいハーブティーやスープ、味噌汁などで補うのがおすすめです。

また、授乳期は1日に2500キロカロリー、たんぱく質80g、鉄20mgの摂取が必要とされています。一般的な20~30代女性の基準は2000キロカロリー前後なので、普段より意識的にしっかり食べることが必要だとわかりますね。

絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、油っぽいものや糖分の多いものは母乳の状態を悪くする傾向があります。

乳腺を詰まらせて乳腺炎などの原因になり、人によっては少し食べただけで詰まってしまうことも。ママの体には症状が出なくても、赤ちゃんに湿疹や便秘といったトラブルが生じることもあるので注意しましょう。

年末年始の時期、食べ過ぎに注意してほしい食材はおもちです。昔は「おっぱいの出が悪いならおもちを食べたらいい」と言われることもありましたが、乳腺が細くて出にくいママなどは、余計に詰まりやすくなってしまう恐れがあります。

母乳によい食事

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おすすめの食事は和食です。具体的には、根菜類を多く使った汁物(ポトフやみそ汁)がいいでしょう。根菜は体をあたためてくれます。

鉄分やたんぱく質を補うためには、大豆系食材、白身魚、赤身の肉、レバー、ドライフルーツなどを食べるといいでしょう。

「母乳が足りてない?」「ミルクを足すべき?」と思ったら

赤ちゃんが泣きやまなかったり、授乳したのにすぐおっぱいを欲しがったりすると「母乳不足かも?」と心配になるママは多いようです。

「母乳不足」の原因には、主に次の3つがあります。


【1】母乳量は十分だが、赤ちゃんの哺乳力(吸う力)や授乳姿勢に問題がある
【2】母乳産生量が不足、もしくは分泌がない(母乳分泌不全」
【3】赤ちゃんは足りているのだが、母親が母乳不足だと感じる(母乳不足感」

このうち、医療介入が必要な「母乳分泌不全」は少ないケースです。助産師さんなどの適切な支援を受けることができれば、ほとんどのママは母乳のみで育てることができるのです。

生後1ヶ月頃の赤ちゃんの体重増加目安は1日30gとされています。健診などでこれに満たないと母乳不足を指摘されることもあるようですが、WHOのガイドラインでは「生後1ヶ月目で450グラム以下なら母乳不足」とされており、日本の体重増加基準はかなり高くなっています。

母乳とミルク

©petunyia - Fotolia.com



赤ちゃんにとって、生後2~3週間は食欲と成長のスパート時期です。そのため、赤ちゃんの3人に1人はいつも空腹な様子を示し、授乳後も満足しない様子なので、ママは「母乳量が足りないのでは?」と考えがちです。

けれども、この時期の赤ちゃんが活動的で、頻回に母乳を欲しがることは普通のことなので安心してください。

「よく泣く活発な赤ちゃん」の「泣くこと」はその赤ちゃんの生まれ持った気質で、行動スタイルであり、個性です。

赤ちゃんがしょっちゅう泣くと、母乳不足が心配になったり育児が不安になったりするかもしれませんが、静かで眠りがちないわゆる「手のかからない赤ちゃん」が逆に母乳摂取不足になることもあります。

スパート時期になったら、授乳回数を増やすのもいいでしょう。

赤ちゃんが泣く原因はおっぱい以外にも「暑さ」や「同じ姿勢に飽きた」などいろいろあります。母乳を追加しても泣きやまないときは、バスタオルなどでぎゅっと体を包んで抱いて歩いてみたり、うつぶせにして背中をトントンしてみたり、子守歌を歌ってみたりしましょう。

抱く時間が長いほうが赤ちゃんの心の発達にはいい影響があるとされていますから、「抱きぐせ」を気にする必要はありません。

先にご紹介したように、ミルクを足すと母乳がより分泌されにくくなることもあるので、焦ってすぐにミルクに走らず、赤ちゃんや周りの様子をちょっと観察してみてください。

そして心配なときはいつでも、産院の母乳外来などで助産師さんに相談しましょう。

母乳にこだわりすぎないのも大切

いかがでしたか。母乳育児のコツをご紹介しましたが、母乳もミルクも「どちらが正しい」ということはありません。ミルクにも、ママ以外の人に育児にかかわってもらいやすいなどメリットはいろいろあります。

「母乳じゃなきゃダメ」とこだわりすぎるとストレスになってしまうので、ママの負担にならない程度に母乳育児を楽しんでください。

不安なときはひとりで悩まず、産院や助産施設などで気軽に相談してくださいね。

牧 尉太監修:
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
産科・婦人科学教室
牧 尉太(まき じょうた)

金沢医科大学卒業後、恵寿総合病院での研修を経て岡山大学産科・婦人科学教室に入局。福井県立病院、恵寿総合病院産婦人科を経て現職。
「女性のミカタ」の産婦人科医として診療に従事しながら、妊娠糖尿病の臨床研究や地域の周産期救護支援システム構築に尽力している。


【参考資料】
『おっぱいでらくらくすくすく育児』北野寿美代 著(メディカ出版)
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