連載記事:ハロー!裏方さん~子どもの笑顔をつくる達人たち~

よみうりランド「グッジョバ!!」の魅力&攻略法【ハロー!裏方さん~子どもの笑顔をつくる達人たち~ Vol.6】

ハロー!裏方さん~子どもの笑顔をつくる達人たち~

ハロー!裏方さん~子どもの笑顔をつくる達人たち~

子どもの暮らしを彩るモノ・コトづくりに愛をもって携わる達人に、その舞台裏を余すところなく語っていただく本連載。日々のなかで子どもへのラブを感じる、商品、サービス、環境づくり、イベントのプロフェッショ…

子どもの暮らしを彩るモノ・コトづくりに愛をもって携わる達人に、その舞台裏を余すところなく語っていただく本連載。6回目は、いま人気急上昇中のよみうりランドの新しい体感型遊園地エリア「グッジョバ!!」におじゃまし、その誕生秘話から見どころまで、たっぷりお聞きしました。

<お話をうかがった達人さん>
よみうりランド「グッジョバ!!」の魅力&攻略法【ハロー!裏方さん~子どもの笑顔をつくる達人たち~ Vol.6】
曽原 俊雄さん
株式会社 よみうりランド 遊園地事業本部 副本部長。企画・宣伝部。大学生と高校生の子がいる2児のパパ。

<よみうりランドの「グッジョバ!!」って?>
「グッジョバ!!」は、2016年春、よみうりランド内に誕生した遊園地エリア。工場の生産ラインをモチーフにした4つの「factory」では、アトラクションに乗りながらモノづくりを学べる。また、実際に自分でモノづくりができるワークショップも毎日開催。
遊園地×工場見学×ワークショップが融合した、能動的に楽しめる新しいタイプの遊園地。

グッジョバ!!の詳細はこちらから。
http://www.yomiuriland.com/gj/


■「一瞬では終わらない、なにかが残る体験を」…から構想7年! グッジョバ!! 誕生秘話

よみうりランドに新しいエリアをつくろう、との話が持ち上がったのはオープンから7年前のことです。

当時、私は小中学生だった子どもたちを連れて遊園地によく遊びに行っていました。子どもたちと遊ぶなかで、ジェットコースターや観覧車で非日常を味わうのはたしかに楽しいけれど、その楽しさは一瞬で終わってしまうことにちょっと物足りなさを感じていました。

その場限りの「楽しかったね!」「スリリングだったね!」だけではなく、気づきや発見、好奇心…そんな、少しでもなにかが残るような体験を提供したいと漠然と思いながら、新しいエリアへの構想をあれこれ練っていました。

そんな折、これまではファミリーが多かったよみうりランドに、お孫さんを連れてくる団塊世代の方々の姿を多く見かけるようになったんです。

団塊世代といえば、すぐれたモノづくりの技術で日本の高度成長期を支えてきた世代です。
それがヒントとなって、高度成長期の象徴ともいえる大スケールのライン工場をモチーフにした施設「factory」をつくり、「モノづくり」をテーマにしたエリアをつくろうと考えました。

FOOD factory前の巨大なやかんオブジェは、園内屈指のフォトスポット。リアルなつくりは圧巻です!

FOOD factory前の巨大なやかんオブジェは、園内屈指のフォトスポット。リアルなつくりは圧巻です!



グッジョバ!! のテーマは「モノづくり」。乗り物に乗りながら日本のすぐれたモノづくりを体感できる、いままでにないアトラクションで、楽しみながらちょっとした気づきも得られます。

問題は、factoryでどんな楽しみを提供するかです。工場を模した施設でモノづくりの工程をみるだけでは、エンタテインメント性が薄れてしまうように思いました。

遊園地ならではの楽しみがベースにあったうえで、ちょっとした学びや気づきにつながり、子どもたちに一瞬で終わらないなにかを残せるものを…と考えぬき、ようやく「ジェットコースターなどに乗りながらモノづくりの工程を学び、気づきや好奇心を刺激する」というスタイルにたどり着きました。


こうして構想から7年を経て生まれたのが「グッジョバ!!」です。エリア内には、各業種の工場の生産ラインをイメージした「自動車」「食品」「ファッション」「文具」4つのfactoryがあり、モノづくり体感アトラクションのほか、ワークショップ(※)も毎日開催しています。

※ワークショップの内容は、約2週間毎に変わります。

■あえて「競える」にこだわる理由は?

グッジョバ!! では、どのアトラクションにも「学べる」「競える」「能動的」の3つの要素を取り入れることにこだわりました。

たとえば、CAR factoryの「カスタムガレージ」は、未完成の車体にパーツを付けて検査を受け、その後試験走行をし、船積みまで体験できるアトラクションです。車がつくられ、出荷までの流れを楽しみながら「学べる」のです。
車体へのパーツの取り付けには制限時間を設けていて、ここでスコアを「競える」ようにしています。

そう、制限時間内にパーツを取り付けて、試乗して…とお客さん自らが動く「能動的」なアトラクションになっているんです。


一般的なジェットコースターのように、乗ったらあとはされるがまま、というわけではないところが、グッジョバ!! の大きな特長です。

「競える」については、数年前に運動会のかけっこでも順位をつけないといった向きもありましたが、私たちはあえて、点数やランキングなどで「競える」要素を入れました。

子どもって、「できなかったことができるようになった!」「前回より上手にできた!」という経験ほど、鮮明に記憶に残るものだと思うんです。そして、そんな成功体験が成長につながると考えています。

だから、カスタムガレージの例でいえば、初回は3個しかパーツを付けられなかったけれど、次のチャレンジでは5つも付けられた! というような経験をしてほしい。そんな理由で、どのアトラクションにも「競える」要素を入れました。

CAR factory内のアトラクション「カスタムガレージ」では、車に好きなパーツを取り付けて、走行から船積みまでできる! パーツの取り付け時間は90秒と意外とシビア。

CAR factory内のアトラクション「カスタムガレージ」では、車に好きなパーツを取り付けて、走行から船積みまでできる! パーツの取り付け時間は90秒と意外とシビア。



印象的だったエピソードがあります。カスタムガレージにチャレンジした兄弟がCAR factoryから出てきたときに、たまたま近くにいた私に向かって、弟くんが「お兄ちゃんに勝ったんだよ!」とうれしそうに声をかけてくれたんです。

おそらく普段はお兄ちゃんにかなわないことのほうが多いんでしょう。それが、カスタムガレージではお兄ちゃんに勝てた。小さなことかもしれませんが、弟くんにとっては、自信だったり、やればできる、という成功体験のひとつになったんじゃないかなと、弟くんのキラキラした表情をみて思いました。

まさに、グッジョバ!! が目指す、「一瞬では終わらないなにか」を残せた気がして、胸が熱くなった一幕でした。


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