深刻な待機児童問題… 保育士への調査で分かった「解決のカギ」とは?
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保育士が足りていない。そんな現状を改善するためにはどうすればいいのでしょうか。国はこの問題に対し、いくつかの取り組みを始めていますが、現場で働く保育士はその取り組みについてどう感じているのでしょう。
今回は、とあるアンケート結果から「働き手が増えない本当の理由」について探ってみたいと思います。
■「意味がある」と思える国の取り組みは?
株式会社ウェルクスは、保育士や幼稚園教諭を対象に「保育士不足解決に関する取り組みについてのアンケート調査」をおこないました。
「国の取り組みとして、保育士不足解消に最も効果があると思うのはどれですか?」という質問で最も多く寄せられた回答は「勤続年数・経験年数に応じた処遇改善(57%)」。次いで「どれも効果はないと思う(28%)」という結果に…。
株式会社ウェルクス「保育士不足解決に関する取り組みについてのアンケート調査」 調査期間:2017年5月22日~5月26日
ほかに「保育士・保育所支援センターにおける離職保育士に対する再就職支援の強化(9%)」「保育士試験の年2回実施の推進(4%)」「福祉系国家資格を有する者に対する保育士試験科目等の一部免除の検討(2%)」もあげられましたが、いずれも少数派。
資格保有者を新たに増やす、離職者の復帰を応援するのではなく
「今働いている保育士の待遇改善」こそが保育士不足に大きな効果をもたらすと考えている人が多いようです。
■たった2%の給料上乗せじゃ、まだ報われない!?
国は現保育士の待遇改善のため、今年度より新たな取り組みを始めています。それが
月2%の賃金アップです。これについて、現場の保育士たちはどう考えているのでしょうか。
調査によれば月2%のお給料アップで保育士不足が解消できると考えている人は、たったの4%。この結果をみると、いかに保育士が低賃金で働いているかが伺えます。
株式会社ウェルクス「保育士不足解決に関する取り組みについてのアンケート調査」 調査期間:2017年5月22日~5月26日
これっきりではなく、段階的に継続する給与引き上げが望まれますね。