連載記事:新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記
知らないといよいよまずそうなお金の話【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第28話】
いきなりだけど少し前、格安スマホの利用者に関する調査結果が記事になっていた。それによると、所得が高くなればなるほど、格安スマホの利用率も高くなるらしい。「格安」なんだから一見、所得が低い人ほど積極的に使っていそうだが、どうしてこういうことが起きるのか。記事では、高所得者は情報感度が高く技術力もあるので、合理性で格安スマホを選び、使いこなすことができると分析してあった。
なるほど、と妙に納得してしまった。実際私も、近所にたくさんお店があるし、前からずっと使ってるしとろくに考えもせず大手通信会社のスマホを使いつづけている。格安スマホの存在を知ったとしても、面倒という怠けた理由で乗り換えを検討しようともしない。そうやって、高所得者が節約している分をたれ流し続けてしまうから、お金が貯まらないのだろう。
お金を稼いで、お金を使って、お金を節約したり、お金を貯めたりして暮らす。
家庭を持って16年たった今でも苦手意識がある。わからない、できないとうかうかしている間にもお金事情は日々進化していて、単に節約といってもその方法は高度化、複雑化している。
たとえば私より下の世代だと、賢い子ほど、メルカリなどのフリマアプリをうまく使って、限りなく少ない投資でおしゃれをしている。新品の服を買うときには中古でも売れやすいブランドの服を買う。飽きた頃にメルカリで売って、その売上で次の服を買う、そういうことを繰り返す(収益を現金化せず、メルカリの中に記録される数字の増減だけで延々と売買が成立するこういった形は「メルカリ経済圏」と呼ばれているらしい)。
うまくいけばこれまで服に投資してきた額だけで今後の服代がまかなえるということで、え、最高じゃない? と私もすぐに飛びついてみたけれど、これが結構むずかしい。必ずしも出品したものがそうぽんぽん売れるとも限らない。
売れるブランドを知るのも、売れるように出品するのも、マーケティング力が問われる。……マーケットを見る力、ない。そんなものがあればお金が苦手なんて言ってない。お金、やっぱり苦手。でもことを悠長に言ってばかりいられないかもしれない、と思わされる一件が先日あったのだ。