連載記事:新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記

シングルマザーが子どもを預けてデートして何が悪い【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第41話】

新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記

新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記

19歳で子どもを産み、“新米ママ歴14年”の紫原明子さんの家族日記。ママも14年経てばベテラン? いいえ、子育は予測不可能。思いもよらない出来事が日々起こります。

シングルマザーが子どもを預けてデートして何が悪い【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第41話】
芸能人の真木よう子さんが、元夫に子どもを預けて新しい恋人とデートをしていたそうで。それについて、“けしからん”と言う人がいたと聞いて仰天した。

子どもはちゃんと面倒を見てくれる父親に預けているというのに、一体何がいけないのだろう? 何でも“母親の自覚がない”という声が上がったりするらしい。なんだよそれはと。世の中には子連れ再婚したお母さんなんて星の数ほどいるけれど、子連れ再婚して新しいお父さんを家に迎え入れて家族で幸せに暮らしてるお母さんなんて星の数ほどいるけど、そんな母親みんな“母親の自覚がない”とでも言うんだろうか。

子どもじゃないんだから冷静に考えてもみてほしい。出会って10秒で再婚できますか? できません、AVじゃないんですから(分からない人は分からなくていいです)。

そりゃもちろんケースバイケースだろうけど、子連れ再婚するまでには何かしらデートを重ね、恋愛をしているわけで。
まずは人と人として出会い、色々なステップを経て、この人とは家族になれそうだな、子どもと会わせたいな、と思うようになる。

母親だからこそ、そして一度、予期せぬ別れ(失敗、とは言わない)を経験しているからこそ、慎重な確認作業を行うのだ。

大人同士で顔を突き合わせて話してみたり、……もちろん話すだけじゃなくてそれ以外にも色々してみたりしないと分からないことがあるだろうに、そんな当たり前のことがどうして分からないのだろう。

そもそも昨今、日本のひとり親家庭の貧困率は5割を越えるとも言われている中で、シングルマザーが新たに生活のパートナーとなる人を見つけられたというのなら、本来そんなおめでたいことはない。また必ずしも困窮していなくても、結婚して実質的なパートナーになることを視野に入れていなくとも、精神的な支えとなってくれたり、個としての自分を認めてくれる他人の存在には大きな価値があるのであって、子どもを虐待しているわけでもないのに、その関係性を作る努力を他人が外からとやかく言うのはお門違いもいいとこである。

また、これがことシングルファザーの恋愛であれば世間は諸手を挙げて祝福するのだから、輪をかけておかしな話しである。

男一人で育てるのは可哀想、お母さんが来てくれた方が子どもも幸せ、そう思う人が多いというのは、小林麻央さんが亡くなった直後から夫である海老蔵さんの再婚を今か今かと邪推する週刊誌の記事が後を絶たないことからもひしひしと感じられる。

シングルファザーだってシングルマザーだって、一人でお金を稼いで一人で子育てしている点には変わりないのに、どっちが可哀想なんて話があるのだろうか。


恋人を作ったシングルマザーが子育てを放棄し家に帰らなくなり、結果、子どもたちが犠牲になるという痛ましい事件は時折報道で耳にする。だからって母親の恋愛は全部悪、母親が恋愛すると育児を放棄する、と考える人は冷静な思考を放棄している。


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