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「わが子はみんな、わけへだてなくかわいい」。頭ではそう思っていても、ついつい一人だけにつらく当たってしまったり、一人だけかわいがってしまうことはありませんか?
親子といえども人間同士。合う・合わないの相性もありますが、それがエスカレートしてしまうと、ママも子どもも傷つく結果となります。
そこで、心理カウンセラーの立場から、兄弟間でわが子を
えこひいきしてしまうママの心理や悩み、その解決法を考えてみましょう。
■兄弟間でのえこひいき、「いけない」とわかっていても…
あなたのお子さんは一人っ子ですか? それとも2人以上ですか?
1人でも2人以上でも。子育てはそれぞれ大変な面があります。同じ親から生まれて同じように育てても、全然違う個性が育っていくのが不思議ではありますが、それもまた「人を育てる」ことの醍醐味なのかもしれませんね。
しかし、子どもが複数の場合、ついつい比較したりしてしまうものです。
親子といえでも相性はありますから、子どもの個性によって、なんとなく
特定の1人をかわいく思ってしまうこともあるでしょう。
それが行き過ぎてしまったり、「いけないことだけど一人の子だけをかわいがってしまう」ことにお悩みのママは多く、育児関係で私の心理カウンセリングを受けられる方の中にも一定数います。
そんなママたちと話してみると、たいてい
普通に思いやりもあり常識的で、決して性格が悪いわけでもなく、「子どもをひいきしてはいけない」と頭ではちゃんとわかっています。それなのに
やめられない…。こういったコントロールのきかない感情を子どもに持ってしまったら、どうすればいいのでしょうか。
■ママのえこひいきパターンは、大きくわけて2つ
特定の子どもをかわいがってしまうママの心理状態は、大きく2つに分けられます。
●自分が子どもの時にできた(できなかった)ことを、わが子にやらせているママ。
たとえば、自分が子どもの頃「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」と親から言われたことがイヤだったので、長女は思いきり甘やかしてかわいがるといったケースです。
●かわいい容姿や、勉強・スポーツができるなど他人に自慢できそうなタイプの子、もしくは真逆で何もかもパッとしない子に執着しているママ。
前者は子どもの自慢、後者は「私がいないとこの子はダメだから」とお世話を焼くことに喜びを見出しているタイプです。
一概には言えませんが、えこひいきしてしまう気持ちは、ママ自身が子どもだった頃の
「満たされない記憶」が形を変えて出てきている場合が多いように感じます。
もし、どうしても特定の子どもだけかわいがる行動をやめられないときは、自身の子ども時代の
記憶をさかのぼってみましょう。すると「子ども自身」をかわいいと感じているのではなく、「子どもが自分の記憶を満たしてくれる存在」だからかわいいと感じること、ほかの子と優劣はないことに気づくでしょう。