2018年1月17日 20:00|ウーマンエキサイト

もう「怒り」に振り回されない! イライラせずに子どもと向き合うには【ママのためのアンガーマネジメント 第3回】

ママのためのアンガーマネジメント

ママのためのアンガーマネジメント

ママの毎日は、ある意味、戦い。子どもを感情的に叱ったあと、言いようのない後悔に苛まれる…。そんな経験は、どんなママでもしているはず。NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんに「怒り」との上手な付き…

「怒り」そのものは、人間として、ごく自然な感情です。本質を知り、付き合い方を知っていればむやみに恐れるものではありません。そうは言っても毎日子どもを怒ってばかりという日々から抜け出したいと思っているママたち。
もう「怒り」に振り回されない! イライラせずに子どもと向き合うには【ママのためのアンガーマネジメント 第3回】

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では怒りの感情を持ってしまったら、どうすれば抜け出すことができるのか、最終回の今回は、アンガーマネジメントの手法を3つご紹介しましょう。NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんにお話しを伺いました。

■「アイメッセージ」で、「怒り」から抜け出す

自分の中に怒りを感じ、「腹が立つ!」と言ったときは、「私=怒り」です。「でも、『私は、怒りを感じている』と言うと、『私=感じている』となり、感情(怒り)から少し距離をおけます」(高山先生) 

自分と感情の間に距離ができて、少し冷静になったら、怒りの種である「第一の感情」を言葉にして、アイメッセージで伝えます。まず、「私は」と言い始めてください。
次に「○○(思考)なので、●●(感情)です」と続けます。これが、アイメッセージです。自分の思考や感情を比較的冷静に、具体的に伝えることができます。
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●アイメッセージに言い換える方法
「なんで、いつも遊びながらご飯を食べるの!」
(本当の気持ち:ご飯をモリモリ食べてくれなくて悲しい)
↓(言い換える)
「ママ、○○くんが遊びながらご飯を食べていると悲しいな」
(「ママは」「わたしは」を使うと、本当の感情が伝えられて、冷静な会話がなりたつ)

「不満を言うだけでは、単なる親子げんかです。けれど、『ママは』をつけて、自分の気持ちを言い表すと、『意見』になり、子どもと少し冷静に話すことができるようになります」(高山先生)

■「なんで」は失敗の原因を探る言葉


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怒っているときに、つい口から飛び出てしまう「なんで」という言葉。「なんで」、は、失敗の原因を探る言葉です。物事の解決につながりにくく、子どもや自分への怒りを招きがちです。

このような後ろ向きの言葉が口ぐせになっている場合は、「どうしたら」を口癖にするように意識してみると良いかもしれません。「『どうしたら』は、物事を、『次の成功』に導くための、前向きな問いかけです」(高山先生)

「どうしたら」と結びつくのは、「できる」です。「どうしたら」と自問すれば、「できるかな?」と、前向きな言葉が自然に出てくるのです。

■怒りの記録をつけてみよう

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最後に長期的な視点にたった、怒りに対しての抜本的な方法をご紹介しましょう。それは、「イライラした」「腹が立った」「気持ちが落ち込んだ」といった出来事の記録である「アンガー・ログ」をつけること。
ほんのメモ程度でかまいません

<「アンガー・ログ」の5つのポイント>
①いつ、どこで?
自分が怒りやすい時間帯や、場所を見極めるための項目。日付だけでなく時間も書き、場所も具体的だとgood

②どんなことがあったか?
怒りを感じた場面を描写。感情は抜きにして、場面を描写することに徹します

③そのとき自分が思ったこと
その時、自分が思ったことを素直に書き出します。自分で読み返すだけのものなので、人目を気にする必要はありません

④どんな感情を持ったか
イライラした、怒り、失望・・など、感情の種類を書きます。
例)〈感情〉イラっとした

⑤怒りのレベル
感じた怒りがどのくらいか、ランク付けをします。ランクは目安を、前もって決めておきます
例)〈怒りのレベル〉5点くらいだから、レベル2
<怒りのレベル例>
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■「怒りのきっかけ」を減らすには


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「アンガー・ログ」は、自分の観察日記です。書いたときには「怒るのは無理もない」と思ったことでも、あとで読むと「こんな些細なことで怒っていたのか」「このときに怒ったのは、第一次感情(※)が、こうだったからだ」など、気づくことがあるでしょう。

こんなふうに、アンガー・ログを読み解いていくと、自分の怒りのパターンが見えてきます。「アンガー・ログから浮かび上がることのなかで、いちばん対策を立てやすいのが『怒りのきっかけ』です。きっかけを減らすと、行動も変えやすくなります」(高山先生) 
※第一次感情とは
怒りの下に隠れている感情を、第一次感情といいます。第一次感情のなかには、「不安」や「悲しみ」といったマイナスの感情だけではなく、「希望」や「期待」などの前向きな感情もあります。


●「怒りのきっかけ」を減らす例
例1)
<自分の「怒り」の傾向>
疲れがたまった夕方や空腹時にイライラして子どもに怒りやすい
<対策>
大切な仕事は午前中、少なくとも午後の早めには終わらせておく。夕方になったら軽食をとる
例2)
<自分の「怒り」の傾向>
ママ友が思ったようなリアクションをしてくれないとき、怒りやすい
<対策>
「期待・希望」といった第一次感情が大きすぎる。
無意識に自分の「期待・希望」が大きくなっていないかノートに書き出してみる

「『アンガー・ログ』で怒りの傾向がつかめたら、まずは改善策をひとつ決めて実行してみましょう」(高山先生)

「怒り」という感情は、価値観、いわば、「自分らしさの根っこ」に関わる問題と感じている人も多いでしょう。でも、自分が「価値観」だと思っていたことが、単なる「思い込み」の可能性もあります。「アンガー・ログ」を使って、「自分の考え方の癖」を意識してみるだけで、怒りを感じる回数は減っていくことでしょう。
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喜怒哀楽という感情の中でも、とりわけ強いエネルギーを持つ「怒り」。この「怒り」のエネルギーに自身が振り回されないように、「怒りとの付き合い方」を知り、コントロールできるようになっていけると良いですね。

「ぜひ、ご自身に合った方法をみつけて、怒りと上手に付き合っていただきたいと思います。
そして、みなさまのハッピーな時間が一秒でも長くなることを心から望んでいます」(高山先生)
■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書
『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』(高山恵子)
『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』
(高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)

高山恵子(たかやまけいこ)さん
NPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。
専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。
注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。
NPO法人えじそんくらぶ公式サイト:http://www.e-club.jp/

<イベント情報>
「成人ADHD等の理解と対応」(2018年1月~6月/全6回・東京)
第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火))


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