【医師監修】日本の赤ちゃん4人に1人が足りない栄養素とは? 【東大ママドクターが教える!最新子育て食(2)】
■貧血症状がなくても鉄分不足の疑いが…「隠れ鉄欠」に注意!
―― ビタミンD以外にも足りていない栄養素はありますか?
伊藤先生:赤ちゃんやママに限らず、日本人全体に足りていないのが、鉄です。鉄が足りないと、鉄欠乏症貧血になり、疲れやすかったり、走ると息切れがしたりします。子どもだと、集中力が続かなくなったり、身長が伸びにくくなったり。
注意すべきは、鉄不足の自覚がない「隠れ鉄欠」。めまいなどの貧血の症状が出れば、わかりやすいのですが、そういう症状が出ない鉄不足の人は多いのです。ママがやせ気味、もしくは栄養状態があまりよくないと、栄養が偏っている可能性があり、かなりの割合で子どもも貧血気味となります。
―― どんなものを食べるといいのでしょうか?
伊藤先生:鉄が多く含まれるのは、赤身肉や魚介類、卵黄、葉物野菜、大豆、穀類などです。ビタミンCと一緒にとると吸収されやすくなります。
献立を、肉や魚料理+納豆や豆腐などの大豆製品にするなど
2種類以上のタンパク質をとるようにすると、タンパク質と鉄分の両方を多く摂取できるのでおすすめです。
鉄分を補う離乳食
「シジミのおみそ汁」(1歳半~)
<材料 2杯分>
シジミ(真空パック) 1パック
水 400cc
小ねぎ 1/2本
<作り方>
1.分量の水を入れた鍋にシジミを入れ、ひと煮立ちさせる。生のシジミは殻を洗い、塩水に漬けて一晩砂抜きしたものを使う。
2.お椀にそそぎ、細かく切った小ねぎをちらして出来上がり。お椀に入れたシジミに直接お湯を注いでもOK。
―― 最後にママたちにメッセージをお願いします。
伊藤先生:クリニックにいらっしゃる患者さんを見ていて思うことは、極端に偏った食生活はしないでほしいということ。マクロビも徹底しすぎるとタンパク質やビタミンDなどの栄養が不足しますし、赤ちゃんに卵を与える時期が遅くなりすぎると、アレルギーのリスクがかえって高まります。
健康のためと思ってやっているのに、不健康になってしまっては元も子もありませんから…!
ネットで検索した情報は古かったり間違っていることもあります。信頼できる医師に相談したり、出典元がしっかりしている情報を見極める目を持てるようになりたいですね。子どもも、ママ自身も健康が一番! 特にビタミンDと鉄分に注意しながら、親子で栄養バランスに気を配った食事をしましょう。
参考図書:
「小児科医がすすめる最高の子育て食」1512円(税込)講談社
伊藤明子著。「健康」「免疫力が高い」「頭がいい」「心が安定した」子どもを育てるためにどのような食事を与えたらいいのか、最新の研究に基づいて紹介しています。カラー写真付きでわかりやすい58の簡単レシピも収録されています。
上手くなりたいと言うのに自主練しない。アドバイスも嫌がる息子に頭を悩ませている問題