コミックエッセイ:こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~
本当にお腹にいるの? 実感のない日々【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第30話】
注射は近所の産婦人科で打っていました。産婦人科が休診日には、入院病棟の看護師さんに打ってもらいました。
入院病棟のある2階に上がるとすぐにベビールームがあり、ホヤホヤと湯気の出そうな赤ちゃんたちが並んでスヤスヤと眠っています。
大人はみ~んな、目じりを下げてガラス越しにその列を見つめています。
一点の濁りもない幸せな空間。
みんなを優しい気持ちにさせる赤ちゃんパワー。
いつか自分の赤ちゃんもここに並べてやる~と、静かな誓いを立てながら、その横を通り過ぎます。
ベビールームの前で闘志を燃やしているのは、おそらく私だけだったでしょう(笑)。
空いている病室を使って注射を打ってもらいました。
ここの産婦人科の看護師さんたちは筋肉注射は絶対痛い、と思い込んでいる? ようで(いや、本当に痛いのですが(笑))、私が表情を変えないので「強いですね~」と驚かれました。排卵誘発のときの注射に比べたらかわいいもんです、と答えるとナルホドと納得されていました。
病室のベッドでお尻を丸出しにしながら横たわり、いつか自分もここに入院してやる~と、再び静かな誓いを立てます。
入院するために闘志を燃やしているのは、おそらく私だけだったでしょう(笑)。
予定していた注射が終わりました。
両肩、両尻にローテーションで打っていましたが、やはり10日連続だと、段々と皮膚が痛くなりました。
打ち身のような青アザができ、動かしたり物が当たると痛みました。
そして、判定日がやってきました。
※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。