コミックエッセイ:こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~

妊娠前と妊娠後、扱いの違いに悔しくなる【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第32話】


実母と二人の姉にメールで報告しました。直後から何度も電話がかかってくるけれど「おめでとう」と言われたくなくて無視していました。おめでとう、と言われたら、今の私は返す言葉がありません。

私が電話に出ないでいると、母からメールがどんどん届きました。階段を上がるな、酒はやめなさい、運転もダメ…
次の検診日には迎えにいくから時間をいいなさい、とも。

心配してくれるのは嬉しいけど、日常生活は普通でいいので丁寧にお断りします。それに毎日注射なのに運転しないのはムリですから~。

診察後の支払いは、胎嚢が見えた時点から診察は保険適用になるとのことで、前より安くなっていました。

妊娠したら、母親が優しくなって、病院代が安くなりました。
不妊のうちは、母親はうるさいうえに、病院代は高いのです。

妊娠したとたんに扱いが違います。

やはり子どもは大事か、子どもがいないと社会には入れてもらえないのか。

妊娠した身ながら、なにかを否定されているような気がして悔しい気持ちになりました。

妊娠前と妊娠後、扱いの違いに悔しくなる【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第32話】

当時、県の予算が子育て支援に関してかなり増額されたとニュースで聞きました。が、不妊治療に関しては従来どおり、10万円の助成のみでした。

少子化を改善したいなら、もう少し考えてほしいなと切実に思っていました。不妊治療は、精神的身体的な辛さと同じくらい、経済的にもとても辛いのです。

※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。



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