子どもの歯「受け口にすきっ歯、歯ぎしり…」気になるかみ合わせ、その治療は?

目次

・「受け口」や「すきっ歯」の注意点は?
・「歯ぎしり」「歯欠け」…乳歯期にありがちなトラブル
・小児歯科医にかかるとき、子どもを怖がらせずスムーズにクリニックに連れていくには?
子どもの歯「受け口にすきっ歯、歯ぎしり…」気になるかみ合わせ、その治療は?

ⓒQiteng T-stock.adobe.com


国立保険医療科学院「平成26年度・全国乳幼児歯科健診結果」によると、おおむね乳歯が生えそろう3歳児歯科健康診断において「咬合(かみ合わせ)異常」が認められた子どもは全体の約11%。まだ乳歯で、これから大人の歯である永久歯に生え変わるとはいえ、歯並びが大丈夫なのかは気になりますよね。3歳の頃には、どんなかみ合わせの異常があって、その場合、どんなことに注意すればいいのか。まとめてみました。

■「受け口」や「すきっ歯」の注意点は?

現在、全国の多くの自治体で「3歳児歯科健康診断」が実施されています。赤ちゃんの頃から歯が少しずつ生えてきて、3歳は20本の乳歯が生えそろう時期。虫歯の次に気になるのが、歯並びです。正しい歯並びとかみ合わせになっていない場合、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

1.受け口(かみ合わせが上下反対)

正常な歯のかみ合わせは、上の歯が下の歯にかぶさるように前へ出る形になりますが、子どもの歯を見ると、下の歯が前に出ている場合があります。
一般に「受け口」ともいいます。

2.すきっ歯になっている

乳歯が20本そろっても、歯と歯の間にかなりのすき間があって、ごはんつぶやコーン、お菓子などがはさまってしまうこともありますよね。はたしてこのすき間はそのままにしていいのでしょうか?


日本小児歯科学会のホームページの「子どもたちの口と歯の質問箱」では、受け口について「永久歯交換期に自然に治ることもありますが、遺伝的要因があると自然には治りにくいです。あごの大きさの問題なのか、歯の傾きが原因なのか4~5歳頃になると精密な検査ができ、治療することも可能」と回答しています。

さらに、すきっ歯については「この年代(※3歳)では歯と歯の間にすき間がある(発育空隙という)ことが正常です。乳歯より大きい永久歯が生えてくることを考えると、すき間のあるほうが都合がいいのです。このすき間は、永久歯が生えかわる時、利用され閉鎖していきます。時々、あごに対して歯のサイズが小さいためにすき間が生じることもあります。
その際は永久歯列になってからの処置によって治すことができます」と回答されています。

■「歯ぎしり」「歯欠け」…乳歯期にありがちなトラブル

子どもが寝ている間に歯ぎしりをするのは、よくあること。就寝後や早朝、目覚める前にギリギリと音を立てて歯ぎしりをしている姿を目にするママパパも多いでしょう。しかし、「こんなに毎日、歯ぎしりをしていたら、歯がすり減ったり曲がったりしてしまうのでは?」と心配になりますよね。そういった場合は一度、歯科医に相談してみたほうがよさそうです。

前述の「子どもたちの口と歯の質問箱」では、歯ぎしりについて「ほとんどは一時的なもので、子どもの気持ちが満たされないストレスとしておきていることがあります。年齢とともになくなっていくことが多いです」と解説しています。そして、経過観察をしていてもよいが、「歯並びに問題があったり、歯が過度にすり減ったり、あごを痛がったりするようであれば、小児歯科専門医に相談してください」とアドバイスしています。


また、幼児にありがちなのが、顔から転んで歯ぐきから血が出たり、ひどい時は歯が欠けたり折れたりしてしまうこと。また、歯をぶつけて抜いた場合も注意が必要です。

「子どもたちの口と歯の質問箱」では、「受傷した年齢や程度にもよりますが、永久歯の位置や歯に形成の悪い部分ができることもありますので、永久歯の生える頃まで定期的にかかりつけ歯科医でみてもらってください。また、失った部分を補う処置(乳歯義歯や保隙装置)もあります」と回答されています。




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