連載記事:ママ管理栄養士が解決「離乳食のお悩みあるある」
赤ちゃんの離乳食「今日がダメでも明日がある!」1週間単位でイライラ解消【ママ管理栄養士が解決「離乳食のお悩みあるある」 第2回】
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生後5、6カ月頃から始まる、離乳食。月齢が進むにつれて食べられる食材や量が増え、食のバリエーションも広がっていきますよね。でも同時に「必要な栄養を与えられているのだろうか」と悩むママも多くなってくるようです。
そこで今回は「バランスのとれた離乳食期の食事」はどんな栄養素を意識すればいいのか、不足しがちな栄養素はなにかについて、小児栄養学の専門家・上田玲子先生にお話をうかがってきました。
お話をうかがったのは…
管理栄養士
上田玲子先生
帝京科学大学こども学部幼児保育学科教授・学科長。小児栄養学、母性栄養学、栄養教育学、公衆栄養学などさまざまな栄養に関する学問を学び、栄養コーチングの手法を開発。食を通して子どもの幸せに関わりたいと活動している。
■赤ちゃんの離乳食「栄養バランスの整った食事とは?」
――息子の離乳食では、食材を増やしたり変えたりするタイミングがわからなくて、離乳食スタートから1カ月間ずっとおかゆばかりをあげていました。野菜など新しい食材はどのタイミングであげていけばよかったのでしょうか?
上田玲子先生(以下、上田先生):離乳食がスタートするのって大体、生後6カ月くらいですよね。その最初の1週間くらいはもちろんおかゆで大丈夫。
おかゆに慣れてきたな~と思ったら次の1週間はちょっと野菜を足してみるといいですね。そして、また1週間くらいして野菜にも慣れてきたと思ったら、今度はお豆腐を入れてみる。
そんな感じで食べられる食材を少しずつ増やしていくといいでしょう。
――慣れれば1週間くらいでお野菜やお豆腐などを足していって良かったんですね…! 1つの食材に慣れさせるためには1カ月くらい期間をあけたほうがいいのかと思っていました。
上田先生:そんなことはないんですね。様子を見ながらであれば、1週間ごとに新しい食材にトライして問題ないですよ。それで7カ月以降になってからは、栄養バランスを意識しはじめるといいと思いますね。
――栄養バランスですね…。よく「栄養バランスの整った食事」って聞くんですが、離乳食の場合、具体的にはどんな栄養素を含んだもののことをさしているのでしょうか?
上田先生:そうですね。これは大きく分けて3つあります。
1つめは、パンやごはんのようなエネルギー源となる炭水化物。これは体と脳を動かしてくれます。
2つめは野菜やきのこ、果物といったビタミン・ミネラル源。これは体の調子を整えてくれます。
そして3つめは、大豆やお肉、お魚、卵などのたんぱく質源。これは体をつくる材料になってくれます。
――離乳食が始まったばかりの頃のおかゆは、エネルギー源の炭水化物。そこからビタミン・ミネラル源である野菜を少しずつ足していって、そのあとでお豆腐などのたんぱく質源を足していく…。少しずつ3つの栄養素がそろうようにしていけばいいんですね!
上田先生:そうです。栄養バランスのことを考えたら、この3つを思い出せばいい。とてもシンプルなんですね。7カ月以降の離乳食をつくるときも、この3つの栄養素が入っているかを確認してみましょう。
■離乳食の栄養バランス「1日ではなく1週間単位」で考える
――でも先生…。毎日バランスの整った食事をつくるのがプレッシャーになるときもありそうなんですが(涙)。
上田先生:もちろんそうですよね。私自身もそうでした。
疲れたからおっぱいやミルクだけですませちゃう日だってありますよね。
でも、それでも大丈夫。栄養は1日単位ではなく、1週間というスパンで考えればいいんですよ。
今日は、バランスの整った食事をつくるのが面倒で、ごはんと納豆だけだった。だけど、次の日は野菜たっぷりのスープをつくった。そうやって調整していければ問題ありません。1週間という単位で見たときに、栄養が整っていればいいんですよ。
――本当ですか? 1週間単位で考えればいいと言われると、だいぶプレッシャーがやわらぎます。つくれなかったときも罪悪感に必要以上にとらわれずにすみそうです!
上田先生:そう。1日のなかの食事だけで落ち込む必要なんかないんですよ。1週間単位で考えて、体重が順調に増えていっていれば大丈夫なんですね。