連載記事:「ママ、あのね」心理相談のプロに聞く“子どもの気持ち、ママの気持ち”

イヤイヤ期「子どものギャン泣き、いつまで続く?」ママのための“傾向と対策”【「ママ、あのね」心理相談のプロに聞く“子どもの気持ち、ママの気持ち” 第2回】



■イヤイヤ期「任せていい“自立”、ダメなものはダメな“自律”」

イヤイヤ期「子どものギャン泣き、いつまで続く?」ママのための“傾向と対策”【「ママ、あのね」心理相談のプロに聞く“子どもの気持ち、ママの気持ち”  第2回】

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――つい急かしてしまったり、「親がやったほうが早いから」と子どもにさせていないこともありそうです。イヤイヤとうまく付き合うにはどうすればいいのでしょうか。

帆足先生:子どもが「自分でやりたい(自立)」という意味でイヤイヤをしてきたら、なるべく「どうぞ」とゆずってあげると、子どもがイヤイヤにこだわらずにすむようになります。

例えば、自分でズボンをはきたがったら、うまくできないことがわかっていても、まずはやらせてみましょう。もちろん、うまくできなかったらイライラしてズボンを投げてしまうこともあるかもしれませんが、「この体験が、自立につながる」と思うようにしましょう

次に、「自分の気持ちをコントロールする(自律)」ことが必要なのにイヤイヤをしてきた場合、「ダメなものはダメ」とルールを貫いたほうがいいでしょう。

例えば、夕食前なのに「おかし、たべる!」と言ってきたからといって与えてしまうと、いつでもお菓子は食べられると思ってしまいますよね。家庭の方針もあると思いますが、「おやつの時間に食べようね」と言って、ゆずらない部分は通しましょう。

――しつけの部分でも大切なことですね。
ただ、子どものイヤイヤがどんどんエスカレートしていくと手がつけられなくなりそうです。


帆足先生:確かに自分の要望が聞き入れられないと、子どものイヤイヤはヒートアップしますが、イヤイヤをしても効果がないことが分かるとあきらめることもあります。子ども自身は「自分の気持ちをコントロールする」トレーニングをしているところなんですね。

そういった時の親の対応のポイントは、「何度も言葉をかけない」「振り回されない」こと。

子どもを納得させようと声をかけ続けるのは逆効果です。火に油を注ぐように、イヤイヤがエスカレートします。私自身は「肯定的無視」と言っていますが、子どもがだだをこねたら、一度だけ声をかけて、親は子どもから離れます。

その時、親は子どもの視界に入る範囲、でも近すぎない距離を保って、淡々とイヤイヤ(だだこね)とは関係のないこと、洗濯物をたたむなど違うことをしてみましょう。
「ママはイヤイヤ(だだこね)に興味がないよ」というメッセージになります。

しばらくして、子どもが落ち着いたら、我慢できてもできなくても「よく我慢できたね」「がんばったね」と忘れずにほめてあげてくださいね。「我慢したらママにほめてもらえる」という子どものイメージづくりのために、やってみてはいかがでしょうか。

それでも、ママがイライラをぶつけてしまうこともあると思います。そんな時は、素直に「ママのイライラをぶつけてごめんね」と謝れば大丈夫。子どもはきっと許してくれます。

■イヤイヤ期「“ノートに記録”で傾向と対策」冷静にイヤイヤ対応

――あくまでも否定はせず、子どもの近くにいるけれども、放っておくような感じがいいのですね。ほかにもいい方法はありますか?

帆足先生:お子さんのイヤイヤを分析してみるのがおすすめです。
どういう時に強くイヤイヤをするのか? イヤイヤの元になるものはなんなのか? ノートなどにつけてみると特徴が見えてきて、意外と楽しめますよ。

「夕食前の忙しい時に、イヤイヤをよくしているな」「朝、靴を自分ではけないとイヤイヤが激しいな」など。たいていの場合、ママにゆとりがない時に、子どものイヤイヤが爆発していることが多いようです。

記録をつけることで、ママ自身も客観的になれるます。イヤイヤに余裕を持って対応できるようになりますよ。

――イヤイヤを記録するのはいいですね! 大きくなってから振り返っても育児日記代わりになりそうです。

帆足先生:ぜひやってみてください。あとは、「必殺技」を持っておくのがいいですね。
絶対に子どもが「イヤ」と言わないものを用意します。

例えば、イヤイヤした時に大好きなおかしを差し出して「食べる?」と聞いてみたり。ママ自身も「これならどうかな~?」と一歩ひいて楽しむくらいの気持ちでイヤイヤに接して、巻き込まれないようにすれば、気持ちがずっとラクになれると思います。

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