子どもをたたいてしまう親「ダメと分かっているのに…」その心理は?
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子育ては思うようにいかないことが多いものですよね。日々のなかで解消されない行き場のない感情は、時として爆発してしまうこともあるかもしれません。子どもを持つお母さんたちのなかには「わが子をたたいてしまいそうになる」あるいは「たたいてしまったことがある」という人もいるようです。
今回は、
子どもに手をあげてしまう心理状態と、気持ちの整理の仕方について考えていきましょう。
■子どもをたたいてしまう親「どんな時、どんな気持ち?」
子どもをたたいてしまいそうになる、あるいは、たたいてしまうのはどのような時なのでしょうか? それは、子どもを手っ取り早く自分の言う通りにさせたい時や、思い通りに動かしたいのに、そうならない時ではないでしょうか。
例えば、出かける予定があるから、早く食事を食べて着替えをしてほしい。終わらせなければならない家事があるのに「ねえねえ」とまとわりついて、静かにしていてほしい…などなど。
「たたく」という行為は話したり諭したりすることより、はるかに
簡単に子どもを操作することができますよね。
けれど、それがしつけといった意味合いを含んだとしても、
たたくことは暴力です。そして暴力を使うということは、
恐怖や苦痛で子どもを支配していることになります。
■子どもをたたいてしまう親「手が出てしまうのはどうして?」
子どもを傷つけたいと願う親はいないはずです。では、どうしてわが子をたたいてしまう親がいるのでしょうか?
ここからは、親の視点から考えてみましょう。たたいてしまう親には大きく分けて、下記の2つのタイプがあるように思います。
【たたくことでストレス解消をしているタイプ】
子育ては本当に疲れます。子どものペースに合わせていると時間に余裕がなくなり、イライラしてしまうことも多くあるでしょう。子どもをたたくことによって、そうしたイライラを解消していませんか?
人によっては育児以外のこと、例えば、仕事や人間関係で生じたストレスまで子どもにぶつけてしまうこともあるようです。たたくことで自分自身のストレスを解消しています。
【親にたたかれて育ってきたタイプ】
子どもを持つ親のなかには「自分もたたかれて育ってきた」という人がいます。このタイプの人はたたく=しつけととらえているので、悪いことをすればたたかれても仕方がないという認識を持っています。しつけという大義名分で、自分自身もたたかれて育ってきたため、子どもをたたいて育てることに抵抗感を感じないのでしょう。
たたくことを「しつけ」と正当化している人は「自分が親からされてきたことはきっと正しいはずだ」と信じているのかもしれません。
そのため「たたくことを否定することは、自分の親まで否定することになる」と心のどこかで感じているのではないでしょうか。
しかし、たたくことは何度も言うように暴力です。親から暴力をふるわれる小さな子どもは「イヤだ」「やめてほしい」と抵抗することができるでしょうか。親からたたかれた子は、たたかれることを受け入れるしかできません。