【医師監修】子どもの腹痛、もしかして便秘が原因? 子どもの便秘「10人に1人」<パパ小児科医の子ども健康事典 第10話>



便秘の予防「まずは食物繊維をしっかり摂取」

【医師監修】子どもの腹痛、もしかして便秘が原因? 子どもの便秘「10人に1人」<パパ小児科医の子ども健康事典 第10話>

イラスト:ぺぷり


便秘の予防にはまず、食事療法が重要で、食物繊維をしっかりとります。一般的に子どもの多くが食物繊維不足ですので、野菜、海藻、果物、芋類、豆類などを意識的にとってください。

小学生にとっては、学校で排便することが恥ずかしいということがあるかもしれません。学校でトイレに行けず、便秘を悪化させてしまうことはよくあります。そのような場合は、家で朝、もしくは夜にトイレに行って排便するよう習慣づけるとよいでしょう。

規則正しい排便には、十分な睡眠や規則正しい食事、適度に運動が大切です。もちろん、学校でトイレに行くことは決して恥ずかしくないことを教育していくこともあわせて重要です。


子どもの便秘「よくあるQ&A」

便秘について診察室でよくうける質問をまとめました。

Q. 水分をとったら便秘が治る?
A. 水分不足で便秘になる可能性はありますが、たくさん水分をとっても尿として出ていきますので、それだけでは改善しません。

Q. 浣腸はくせになるからしないほうがいい?
A. 浣腸は便秘の悪循環を一度リセットするものです。浣腸で出したあと、緩下剤や食事でコントロールして悪循環にはまらないようにしなければなりません。

浣腸しないと排便できないという状況は、くせになっているというよりは、便秘の悪循環から抜け出せていない状態ととらえてください。

Q. トイレトレーニングの時期は?
A. おむつがはずれる時期は2~4歳と幅があり、個人差が大きいです。トイレトレーニングの時期が本人にあっていないと、排便はつらいものになり、便秘の原因となる可能性があります。

うんちをしてスッキリすることは気持ちいいいということ教えていくためにも、子どもにとって適切な時期に開始していかなければなりません。


赤ちゃんの便秘「綿棒の刺激で排便サポート」

最後に赤ちゃんの便秘にも少し触れます。

生後すぐは排便の力が十分ではありません。肛門の綿棒刺激をしてアシストすることでだんだん自分でも出せるようになってきます。寝た態勢では排便しにくいので、首がしっかりしてきたら支えながら座らせると「うーん」ときばりやすくなります。

それでもなかなか出ない時は、浣腸をしたり、医師と相談のうえで下剤の使用を検討してください。

以上、最近増えている子どもの便秘に関する対策をまとめました。

規則正しく、すっきりとうんちを出すことは健康のバロメーターです。便秘は、ときにのたうちまわるほどの強い痛みを起こすこともあり、「病気」ととらえてしっかりと予防、治療していきましょう。



参考資料
※ 「こどもの便秘−正しい知識で正しい治療を−」(小児慢性機能性便秘診療ガイドライン作成委員会)
http://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf



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