連載記事:きれいなママは腸が違う? ママのための美腸活
ママの腸はボロボロ!? 女性に便秘が多い理由とは?【きれいなママは腸が違う? ママのための美腸活 第1回】
ⓒtorwaiphoto-stock.adobe.com
毎日子育てや家事に追われて、ついつい自分の食事や健康管理は後回し…ということはありませんか?
「ママの腸は悲鳴をあげています」というのは日本美腸協会で代表理事を務める小野咲さん。ママの腸の状態や悩んでいる方も多い便秘について、小野さんに教えていただきました。
お話をうかがったのは…
小野 咲(おの・さき)さん
一般社団法人日本美腸協会 代表理事。美腸ナース。国立成育医療研究センターで看護師として子どもに接する中で腸の大切さを痛感。幼いころから自身が極度の便秘だったこともあり、便秘外来で腸の研究に没頭する。薬を使わずにおなかの悩みを改善する腸のマッサージを開発。その後、美腸エステ®「GENIE」を立ち上げ、日本美腸協会を設立。美腸エステで1万人以上を施術。現在は全国で腸の知識やセルフケアを伝えるセミナーを行う。
著書に『腸が変われば、人生変わる 美腸の教科書』(主婦の友社)、『下がらないカラダ』(サンマーク出版)など。1児の母。
■ママの腸「実はピンチの状態!?」3つの理由
――そもそも、ママの腸はどんな傾向があるのでしょうか?
小野咲さん(以下、小野さん):個人差はありますが、ママの腸は決していい状態とはいえません。なぜかというと、3つの原因が考えられます。
まず一つ目は、「骨盤のゆがみ」です。
出産後は、骨盤がひらいているため腸が下がってしまい、骨盤が元に戻りにくい状態です。ひらいているだけならまだしも、ゆがんでしまうことがあり、これが問題です。出産の回数を経るほど、ひらきやゆがみが生じやすくなるといえます。
――たしかに、産後は骨盤がひらく、ゆがむことははよく聞きますが、腸にも影響があるんですね…!
小野さん:腸はそもそも体の中であまり固定されずに浮いているような臓器なんですね。腸の位置が下がったり骨盤のゆがみによって偏ったりすると、腸の動きが鈍くなります。ですので、本来あるべき場所に戻すことが大切です。
やはり腸の動きに関係することですが、原因の二つ目は「おなかの筋力の低下」です。
産後は動けなかったりして、もともと運動好きなママでも出産前ほど動けないことってあると思うのです。そのため、どうしても筋力が低下しがちです。
股関節の深い部分にある「腸腰筋(ちょうようきん)」は、腸に近い筋肉で、腸が下がらないように支えてくれます。この腸腰筋をはじめ、腸を保護する横隔膜や腹横筋、骨盤低筋群などのインナーマッスルを鍛えることが大切になってきます。
――骨盤のゆがみ、おなかの筋力ダウン…腸の状態が悪くなる原因はいろいろとあるのですね。
小野さん:さらに、三つ目の原因として、「自分のケアがおそろかになりがちなこと」があげられます。
小さな子どもがいると、どうしても子ども優先になりますよね。食事でも子どもにはきちんと食べさせなきゃと思って与えても、自分は適当なものですませてしまったり、食べる量も少なかったり…ということはありませんか? 結果として、栄養バランスが偏った食事になっているのかもしれません。
また、トイレをがまんするママもけっこういるのではないでしょうか。朝急いでいるから、子どもを寝かせるところだからといって、便をがまんすると、腸にもよくありません。