性教育は最大の「防犯」教育である【性教育のはじめどきは3歳!その理由 Vol.3】


■性トラブルは身近にゴロゴロ転がっている!

性教育については、ちょっと怖い話も伺いました。

「これまでは知らない人からの危険を回避する、というお話でしたが、実は知っている人からの性トラブルも多いという現実があります」。

のじまなみ著「お母さん、学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」より。「サングラスに帽子にマスク」変質者はいません。普通の人でもご用心を!

「サングラスに帽子にマスク」変質者はいません。普通の人でもご用心を!  イラスト:おぐらなおみ


これはなかなかに怖い話。身近な人間からの性トラブルは、子ども自身、母親に話すことを躊躇してしまいそうですが、日頃からなんでも話せる関係性を作っておけば回避できそう。子どもにとって、味方なのだ、ということを常に伝えておくことで安心させるといいのかもしれません。


また、ネットが発達した最近では、ライン婚やSNS婚なども増えてきているのだそう。人と人との可能性、出会いも広がりましたが、気軽に人間関係も繋がれるということは、リスクもその分強まったことにもなります。危険はあちこちに転がっているということ。決してそれは、他人事ではないのです。母親として未然にトラブルを防ぐこと。性教育は必須の教育なのだということがわかるでしょう。

■アイデンティティーの強要社会

性教育の話の延長で、のじまさんが現代の「子育て」の変化について実感していることも話してくれました。

「ここまでは子どもへの話でしたが、デジタル時代になって生きづらくなったのは大人も同じ。
SNSが広がったことで、得られる情報は増えたけれど、余計な情報も知ることになりました。そのことによって、人は無理やり『アイデンティティ』を持たないといけなくなった。それは子育て中のお母さんにとってマイナスになることもあります」

支持されるのは、“素敵なお母さん”。おしゃれなファッションをして、スタイリッシュな家具に囲まれ、家事も上手で、教育にも熱心。比べてはいけない、と思いつつ自分と比べてしまうのが人間の心理というもの。このような必要性が問われる情報が、母親自身の自己肯定感をも奪ってしまう、とのじまさんは指摘しています。

筆者も育児と仕事の両立で悩んで挫折した経験があるのですが、その頃はまだそんなにSNSを使ってない時代でした。あの時にSNSがあったらと思うと正直、ゾッとすることもあります。


「気にしない」「私は私!」と強い自分を持つこと。そのままの自分を認めてあげること。子どもを大切にできるのは、自分を大切にすることができるお母さんなのではないでしょうか。そういう意味でも、性教育から「自己肯定感」を育むことは、お母さんにとっても得るものはとても大きい。

■お母さん同士で共感する時代へ!

性について、セックス、生理、命が生まれること。今回ののじまさんのお話は、どれをとっても心を掴まれる事柄ばかり。堂々と性教育していきたいものです。

のじまなみ著「お母さん、学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」より 子どもの性教育はいつから?

果敢に挑めよ、お母さん! 書籍では年齢別の反応と対応もご紹介しています。

イラスト:おぐらなおみ

確かに、性教育をすぐにしようと思っても、いくつものハードルがあり、なかなか手がけられないというお母さんもいるかもしれません。日々、性教育の他にたくさんやらなければならないことがあり、なんでもお母さんへ負担がのしかかってしまっている現実はありますが、こういう時こそ、お母さん同士で繋がり、必要なことをシェアしてみてはどうでしょうか。

タブーなことからは見て見ぬ振りをして、踏み込まなかった時代から、タブーを打ち破り、共感しあう時代へ。

今こそ、お母さんの意識改革の時なのかもしれません。


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