連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典

【医師監修】りんご病感染「妊娠初期の流産、胎児水腫の恐れ…」症状、予防、潜伏期間<パパ小児科医の子ども健康事典 第18話>

パパ小児科医の子ども健康事典

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Twitterでも人気! 小児科医であり2児のパパでもある、パパ小児科医(ぱぱしょー)さんが、子どもの健康を守るための「ちょっとしたこと」について教える連載。子どもの病気に関する知識や、大きな事故の…

【医師監修】りんご病感染「妊娠初期の流産、胎児水腫の恐れ…」症状、予防、潜伏期間<パパ小児科医の子ども健康事典 第18話>

イラスト:ぺぷり


「急によくわからない発疹が出てきました」

そんな症状で受診する人は時々いますが、その原因のひとつにりんご病(=伝染性紅斑)が挙げられます。りんご病とは、どんな病気なのでしょうか。

■りんご病「症状・原因・感染ルート・潜伏期間」

りんご病はその名の通り、頬がりんごのように赤くなることが特徴です。

子どもはもともと頬に湿疹(しっしん)ができやすく、これだけでは区別がつきにくいこともありますが、りんご病では首や胸、腕や太ももにも発疹が出現します。

その分布は手足の先端ではなく、体の中心寄りに出やすいことが特徴です。ぼんやりと淡い紅斑が出現し、「レース状」「網目状」といったように表現されます。見た目の割に、かゆみは強くないことが多いです。

りんご病は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因で、伝染性紅斑という名前の通り、接触やせき、くしゃみなどでうつります。


感染すると7~10日の潜伏をへて、発熱や鼻水などの軽い風邪症状が数日あったのち1~2週間ほどで紅斑が出現します。この時、微熱程度だったり、ほとんど症状がないこともあります。

この風邪症状の時が一番ウイルスの量が多く人にうつりますが、紅斑が出る頃にはウイルス量が少なくなっているので感染力はありません。

外来で「りんご病です」と診断すると「学校はいつまで休まなければなりませんか?」と質問を受けますが、紅斑が出ている時期にはもう感染力はないので、元気であれば登園や登校はOKということになります。

日光の刺激などで発疹が少しぶり返すこともありますが、おおむね1週間くらいで自然に改善するため、特別な治療は必要ありません。

発疹が出て初めてりんご病とわかるので、初期の風邪症状の時期に知らず知らず人にうつしてしまっているかもしれず、なかなか厄介な感染症です。


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