コミックエッセイ:四方向へ散らないで
双子の出産を終えてから… いきなり始まった「同時授乳」に大混乱!【四方向へ散らないで Vol.3】
こんにちは! 野原のんです。
前回、なんとかトイレへの旅を乗り越えた私ですが、休む暇もなくはじまる双子の育児…
起き上がるたびに、ハァハァ言うのが落ち着いてきた頃、カラカラと部屋に連れてきてもらった双子たち。
包まれて寝ている姿は本当に「かわいい」の一言に尽きる!!!
つんつんとほっぺを触ってみたり、指に触れてみたり…
数時間前まで、この子たちがお腹にいたんだよなぁ…なんて、なんとも言えない気持ちになる私。
何回出産しても、やっぱり産まれたばかりの赤ちゃんに触れるときは、ワクワクとドキドキとキュンキュンとで「うーっ!」ってなるんですよね〜。
でも、このかわいい子たちにあげなくてはいけない大切なものが…
それが初乳!
完母でいくにせよ、混合にせよ、ミルクにせよ、初乳だけはみんなあげるんじゃないかな? と思うのですが、初授乳の前に立ちはだかるのが…
母乳や乳腺の確認もかねたマッサージ。
これが毎回、痛いんです…
効果音にすると「ギュッ グニッ グッギュィーーン」みたいな 笑。
私は上の子たちのときから、母乳の出がそこまで良くないので、入院中にマッサージを結構うけるのですが、毎回「いーデデデデデデ!」となっていました。
双子のときもやっぱりあまり母乳の出は良くなかったのですが、なによりも赤ちゃんにくわえてもらうのが一番! とマッサージ後、とりあえず双子に初授乳することに。
ひとりずつやるのかな? と思っていた私の周りに、おもむろにクッションを敷き詰める助産師さん。
え? ん? え?
動揺する私に「おっぱい両方出しておこう。両手ふさがるから」と一言。
初っぱなから
同時授乳だとーーーーーーーー!?
いや、え? どうしたら、え? え?
と動揺している私をよそに、授乳クッションの高さを調整するために、下に布団を挟み込んだりしながら
「はい! じゃあ1人目からいくね!」と助産師さん。
えーーーーーーーーーー!!!
あれよあれよという間に両手に双子。
なんだこの状態は…
何がどうなっているんや…
混乱しながらも見下ろすと、まだうまく吸いつけない双子が、それぞれに何とか吸いつこうとしている。
その顔を見ていたら…
あれ…なに、涙が…
5年ぶりの授乳の感覚。
やわらかくて、暖かくて、軽い、手のひらに収まってしまう小さな頭。
産まれたんだな…この子たち、2人で。
両手がふさがったまま止まらない私の涙を、鬼のようだと思っていた助産師さんがやさしく拭いてくれたのは、いまでも忘れられないです。
そして同時に思っていました。
「まったく身動きが取れなくなるけど、これ…一人でどうすればいいんや…」
続く
えぇ…!? これもなの!? 我が家に突然現れた「チクチク言葉警察」【やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜 第132話】