英語が苦手でも大丈夫! 「ホームビジット」の達人に教わる、親子で外国人をおもてなしするコツ
ラグビーワールドカップではたくさんの外国人が訪日し盛り上がりましたが、次はいよいよ2020年東京オリンピック。これからますます外国人の来日が増えてくると予想されます。外国人をお家に呼ぶコツを知っておけば、親子で外国人と交流する機会があっても安心。
世界中から
日本にやってくる旅行者を家に招き、おうちごはんを一緒に食べながら2~3時間交流をする、
ホームビジットの取り組みを普及してきた特定非営利活動法人NAGOMI VISITの代表理事、楠めぐみさんにコツをお聞きしました。
■「ホームビジット」はメリットたくさん、子どもと一緒に国際交流
──NAGOMI VISITでは子どもがいる家庭が、外国人を受け入れるホストに多いと聞きました。
楠めぐみさん(以下 楠さん):全国で登録している約1200世帯のホストのうち、6~7割が未就学児や小中学生のいるご家庭です。「子どもにはグローバルな視点を養ってほしい」「世界にはいろいろな人がいるということを知ってほしい」という理由が多いです。
お子さんがいると、独身のときのように海外旅行にたくさん行けないから、自宅に来てもらえるのは一石二鳥とおっしゃる方もいます。
──親子で外国人を招くと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
楠さん:親が外国人との交流を楽しんでいる姿を子どもに見せると、外国人にあまり接したことのないお子さんでも、抵抗感がなくなり、交流に積極的になる傾向があります。
──子どもが国際交流に興味を持つかどうかは親の影響が強いんですね。
楠さん:英語が苦手だと、つい「私は料理しているから」といって子どもに「交流してきなさい」と押しつけてしまう親御さんもいますが、そうすると子どもも、外国人の方もどうしていいかわからずシーンとなってしまいます。せっかくの外国人との交流の機会を活かせず、子どもも国際交流に興味を失ってしまいます。
── そういう方にはどのようなアドバイスをするのですか?
楠さん:まずは大人が自ら積極的に行動してみることをすすめています。大人が楽しんで、「楽しいよ」ということに子どもを巻き込んでいけば、子どもも自然と楽しめます。
■英語が苦手でも大丈夫! 大事なのは親からの働きかけ
── でもやはり英語が苦手だと躊躇する方も多いのでは?
楠さん:「英語が苦手」とみなさんおっしゃるのですが、初対面同志で2~3時間一緒に食事をして過ごすだけなので、複雑な話はそれほどしません。
中学卒業程度の英語力があれば十分だと思います。「こういうことが好き」「普段は何を食べていますか」といった、自分自身の紹介やお互いの普段の生活について会話ができれば、まずは交流を楽しめます。
「日本の茶道とは何かを説明しなければ」などと思いこんで、「やっぱりできない」と考え、国際交流を楽しむ機会を逃すのはもったいないと思います。
── 「きちんと英語を話さなければ」と身構えすぎる必要はないんですね。
楠さん:今はインターネットで言い回しや単語など簡単に調べられます。
日本食のレシピも英語で載っているので、作る料理の英文レシピや使いそうな単語など、事前にちょっと準備しておくだけで、会話もスムーズになります。
もし、お料理が好きな人を家に招くのであれば、食事の前に一緒にスーパーを見てみるなど、相手の好みに合わせてあまり言葉がいらないことを計画するのもおすすめです。
── ちょっとした準備で英語力をフォローできるんですね?
楠さん:お子さんについてもそうですね。事前に親から上手に働きかけをすることで、外国人とあまり接する機会のないお子さんでも当日の国際交流を楽しめます。
「こういう国から来るからどこにあるか地図で調べてみようか」とか「こういうことを聞いてみる?」などといって事前に子どもに働きかけをしたご家庭は、ホームビジットを体験して「また子どもがやりたいって言っていました」という感想を多くいただきます。
また、言葉を使わない楽しい交流方法もたくさんあるので、そういう遊びも用意しておくといいかもしれません。例えば、折り紙や百人一首での坊主めくりも、簡単で日本らしい遊びなので喜ばれます。