■いよいよクリスマス当日! 完ぺきに変装した私に先生が…
そして迎えた当日。
娘を預けると、先生から裏口へ呼ばれた。
イメージしているような恰幅(かっぷく)のいいサンタではないが、顔も見えず、完全にサンタクロースになった私。
サンタはしゃべらず(声を出すとバレるので)、先生が通訳をしてくれるので、毎日保育園に出入りしていて、
比較的子どもたちによく知られたパパである私であることに誰も気がつかない。
年長さんから順にプレゼントを渡して記念撮影をしてゆき、娘のいる0歳児クラスの番が来た時である。
先生からまさかの踏み込んだアドリブが!!
さすがに抱っこしたらバレるんじゃないの!?
と、思ったが。
娘はサンタのその風体が怖くて大泣きしたのだった。
■パパサンタを襲う焦燥感。その原因のひとつは…
私はサンタの役目を十二分にやりきった。
「素晴らしいサンタでした」
先生には感謝されたが、娘に怖がられるという体験は、クラーク・ケントになったような、ヒーローの一抹の寂しさのような感覚を味わうことになった。
あれから2年。
娘は、クリスマスにサンタが来ることを楽しみにしているようである。
しかし2年前、自分を抱っこしてくれたあのサンタのことは、
まるで覚えていない。
わが家のサンタクロース事情