がんばり過ぎるすべての人へ…優しく心に響く猫の人生相談で癒されよう
■誰もが抱える心の膿。弱さも強がりも認めた先に見える希望の光
そして別ストーリーでは田舎嫌いの自意識過剰な青年が登場し、彼もまた今まで見えていなかった“かけがえのないもの”の存在に気付いていきます。
何者かになりたいばかりで都会に出て、目標を定められないままあっという間に15年。結局何者にもなれなかった彼が目にしたのは、夢を叶えた田舎の友人の姿でした。
『ねこでよければ』① やまもとりえ著(ホーム社/集英社)
『ねこでよければ』① やまもとりえ著(ホーム社/集英社)
小さい頃から田舎が大嫌いで、「退屈な場所でぼーっと暮らしている奴らとは自分は違う」。そんなつまらないプライドで自分を守り、ただ何者かになるためだけに必死だった時間を経て見えたのは、強がりの裏に隠していた自分自身の本心とかけがえのない友情でした。
理想と比べ、足りないことだらけの自分を認めることは痛みを伴う作業かもしれません。しかし、「足るを知る」ことでその先に続く人生の豊かさを味わうことができるのかもしれません。