連載記事:ママのイライラは当たり前

まわりと比較して「行き詰まるママ」と「子どもの自己肯定感」の関係性【ママのイライラは当たり前 Vol.1】


■「行き詰まってしまうママ」には、特徴がある

――でも、先ほど、高濱先生は「母子の愛は崇高」と、おっしゃっていました

お母さんが子どもを想う愛は、崇高だと思います。それは事実として、あります。一方で、「立派な母であろう!」みたいになると、あっという間に行き詰ってしまいますよね。じつはね、「行き詰まってしまうママ」というのは、特徴があるんです。

――どんな特徴ですか?
まわりと比較して「行き詰まるママ」と「子どもの自己肯定感」の関係性【ママのイライラは当たり前 Vol.1】

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人の評価を気にしたり、人と自分を比較したり…。とにかく自分の意識が、「人の目」の方向にいってしまうと危ないです。もっとも、日本人の大半は、「人の目」の方向に意識がいってしまっているんです。それが、「日本の子どもたちの自己肯定感の低さ」に繋がっていると、私は考えています。


――どうして人の目を気にすると自己肯定感が低くなるんですか?

人生は、「自分で決めたこと」が、一番面白いんです。だから、もっとも大切にするべきは、「自分は、何に関心があるのか?」です。言い換えれば、「どれだけ、自分の心に焦点を当てることができるのか?」が、勝負なんです。

けれども、親は何かと口を出してしまいます。小さい頃から、「これをやれば、いい」とか、「この点数を取れば、合格できるよ」「ここの中学に行ったら、すごい」みたいな感じで、日本の子どもは、「外付けの価値」を与えられて育つことが多いんです。

本当は、その子は、「私は、消しゴムのカスを集めたかったんだ!」と思っているかもしれないですよね。はたから見たら、「ただのゴミじゃん」と、思われるようなものでも、「あなたたちはゴミと思うかもしれないけれども、私にとっては、これが大切なんです」という気持ちを持つことが大切なんです。

「自分が本当に関心を持っているもの」を見失わないでいられれば、人間は大丈夫なんです。
「自分が、何にワクワクするか?」を見失わずにいられれば、どんなことがおきたって、大したことではないんです。すべて、楽しいんです。

――消しゴムのカス、ですか? 高濱先生節が炸裂していますね…
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私は、もう、こういう子どものワクワクする価値観の大切さを話したいんです!

たとえば、「友だちの夫はお金持ちなのに、うちの夫は出世しない」といったように、比較ばかりしてしまうからつらくなるんです。子どもたちも同様に「他者と比較して、自分はこうだ」とか、小さい頃から植え付けられて、それを価値基準に置いてしまう。

そうではなくて、「私は(僕は)、これをやりたいんだ!」ということを、繰り返して成長していかれれば、人間は幸せになれるものなんです。

子どもがワクワクしている「消しゴムのカス」に対して「そんなの集めていて、何になるの? そんな意味のないことをしていないで、勉強をしなさい」みたいに、「親が、価値があるものだと思っているもの」を押し付けられるところから、子どもの自己肯定感の低さが生まれると私は考えています。

もちろん、親の方にはまったく悪気がなくて、心の底から子どものためを思って言っているのはわかっていますよ。だからこそ、余計に危ない。
親の価値観自体が、「外付けの枠組み」をもとにしてしまっているのです。


アイタタ! 高濱先生の言葉、思い当たりすぎて、胸が痛くなります…。でも、だからって、私はどうすればいいのでしょうか?

次回に続く!
「私だけ、子どもがかわいいと感じない…」ママを縛っている呪縛の正体

この続きは...「私だけ、子どもがかわいいと感じない…」ママを縛っている呪縛の正体【ママのイライラは当たり前 vol.2】


■今回、取材を受けてくださった高濱正伸先生の書籍
花まるな人生 はみ出しても、回り道しても大丈夫!

まわりと比較して「行き詰まるママ」と「子どもの自己肯定感」の関係性【ママのイライラは当たり前 Vol.1】
(高濱 正伸/幻冬舎(¥1,320(税込)))
花まる学習会代表・高濱正伸が自身の幼少時代を紐解きながら、はみ出し、回り道しながらたどり着いた「花まるな人生」について語ります。逆境を楽しみ乗り越える強さ、自分で学べる賢さ、誰とでも仲間になり人を幸せにできるしなやかさ…。これからの時代に必要とされる力を育むために、親が子どもにしてあげられることとは?

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