コミックエッセイ:両手に男児
6年間使うものなのに…大事な歌の本をなくした記憶【両手に男児 Vol.35】
慌てて先生に伝えると、その日は隣の席のきみちゃんという友だちに借りるように言われました。
きみちゃんは席も隣同士で、集会の時の背の順でも前後同士の友だちでした。
音楽集会が始まると小さな歌詞集を2人で持ちながら歌いました。
歌いながら私の歌の本は一体どこに行ってしまったのか考えました。
家に持ち帰るのは夏休み・冬休みの時だけ。
先週の音楽集会の時はあった。
ランドセルに入れた記憶もないければ家で出した記憶もない。
けど、今日帰ったら探してみよう。
そんなことを考えながらだったので、元々歌が得意じゃなかった私は余計に歌い方が辿々しくなりました。
私が近くにいるせいか、歌の得意なきみちゃんもいつもより声が出ていません。
早く自分の歌詞集を見つけなきゃ、きみちゃんも思うように歌えない。
「歌いづらいよね、ごめんね」
歌い終わるまで申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
音楽集会が終わり、きみちゃんにお礼を言うときみちゃんが持っていた歌詞集を落としました。
それを拾おうとした私の目にあるものが飛び込んできます。
それは、私の名前が消された上に書かれたきみちゃんの名前でした。
次回に続きます
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