ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。
子どもがいると、けっこうオバケや妖怪の話が話題になりませんか?
「早く寝ないと鬼が来るよ〜」
「夜トイレいくの、オバケに遭いそうで怖い〜」
「幽霊が脅かしに来るんじゃない?」
鬼、オバケ、幽霊…ごちゃ混ぜになってるのは子どもだけじゃないはず。
大人もけっこうそこらへんの違いが曖昧だったりしませんか?
鬼とオバケと幽霊の違いって…?
恐らく最も古くから存在していたのが『鬼』ではないでしょうか。起源は中国で、亡くなった人の魂を鬼(キ)と呼んだようです。
日本では平安時代に『物の怪(もののけ)』と呼ばれていた怪異現象や得体の知れない姿や行動をする人、日本古来の神の中で悪神となってしまった神様の概念が混ざって『鬼(おに)』という認識になっていったようです。
…なんて子どもたちに説明していると、いつの間にか現れていたたぬ君とおこんさん。
そういえばおふたりにも人ならぬアイテムが付いていますね〜?
ま、それはともかく『鬼』が街を跋扈していたという平安時代に行ってみましょう!
京を夜な夜な練り歩く不思議なものたちの『百鬼夜行』。
物の怪や付喪神(長い年月を経た道具などに魂が宿ったもの)たちが、平安時代の人々を脅かし、これらを総称して『鬼』と呼んでいたようです。
そしてこの様子を表した『百鬼夜行図』はコミカルで思わず見ていると楽しくなってきちゃうんですが、なんとこれが描かれたのは室町時代なんですよ。
アニメ・漫画文化大国として名高い日本ならではの歴史に納得〜!
時代が進む中で、これらの中でもより人々の生活に身近な鬼たちが『妖怪』と呼ばれるようになっていったのかなぁ。
でもね、なんとなく妖怪って冒頭に挙げたように、現代では子どもをちょっと脅かすぐらいのイメージじゃないですか? でも、日本の昔話や歴史の話の中では子ども騙しではなく大人も当たり前に妖怪と向き合っているんですよね。
なんなら政治に関わる文献にも登場したり、平安時代の殿上人たちは物の怪との遭遇を理由に仕事を休むこともあったようです。
なぜ妖怪は、昔の日本人たちの生活にリアルに存在していたのかというと…。
そう、妖怪とは『暗闇=見えない/わからない』ことへの“恐怖“。人は見えないもの/わからないものが怖いので、その恐怖を乗り越えるため形を与えたのが妖怪になったようです。
木造の家の木が乾燥や湿度の変化によって軋むことで音を発する事象は「家鳴(ヤナリ)」という名で小鬼の姿の妖怪になりました。
灯の無い道を歩むと着物の袖を引っ張られるが振り返ってみると誰もいない、草木の枝のいたずらは「袖引き小僧」という黒塗りの子どもの姿に。
恐らくアルツハイマーなどの症状で徘徊していたのかも知れない、家にいつの間にかいてお茶を飲んでいる知らない人は「ぬらりひょん」。
東北地方のお金持ちの家に現れるという「座敷童子」は、もしかしたら事情により公表していない庶子を客人などがたまたま見かけて噂になったものではないかと言われています。
こういった、現代であれば科学的・医学的に理由が分かったり、光が差せば原因が判明するようなものがまだわからなかった時代は得体の知れないものに名前や姿をつけて恐怖を紛らわしていたのではないでしょうか?
でもここからが日本人の面白いところ。
恐怖を紛らわすだけでは終わらせず、妖怪をキャラクター化してエンタメとして楽しんじゃおう! という流れになっていくんです。(「ゲゲゲの鬼太郎」「妖怪ウオッチ」「アマビエ」など、現代でも妖怪は日本人にとって身近な存在ですよね。)