コミックエッセイ:たんこんちは ボロボロゆかい

鉛筆が消えていく…!? 発達障がいグレーゾーンと診断された娘と「筆箱の罠」【たんこんちは ボロボロゆかい Vol.28】


■ザ・筆箱の盲点

私には思い当たる点がありました。

療育センターで“ADHD寄りのグレーゾーン”と診断を受けていた娘。

身体的な多動傾向はないものの、精神的な多動傾向は見られ、集中することが少し苦手。

保育園時代も、ほかのことに気を取られ、忘れ物や聞き忘れが多々ありました。

小学生になってからも、何かをしているときに声をかけられたり、他のことが気になったりすると、今までしていたことが中断されてしまったり、何をしていいのかわからなくなってしまったり…ということが多くありました。

娘がひとつひとつを真剣に取り組む努力をしていても、マルチタスクがちょっと苦手で、やるべきことが飛んでしまうところがあるのです。

そのことを踏まえて考えてみると…。

ザ・筆箱って…。タスク(課題)のかたまり…!!

ザ・筆箱って…。タスク(課題)のかたまり…!!
“鉛筆はここに入れなければならない”
“消しゴムはここに入れなければならない”
“定規はここ!!”

フタを開ければ、そんなミッションだらけです。

娘は、先生の言葉を聞きながらも、学習内容を必死に理解しようとしながらも、筆箱の幾多のミッションもクリアしなければならない。

娘にとってはとてつもないタスク
それはもう、娘にとってはとてつもないタスクで、重圧だったと思います。

母は子どもふたりに一斉に話しかけられただけで「ちょっと待って!」となってしまうのに、娘は学校の授業中に、頭の中でたくさんの指令を受けていたわけです。

でも、決して先生にストップはかけずに、静かに静かに、焦っていたのだと思います。

そして、鉛筆を筆箱に収めるどころではなくなり、とりあえずランドセルに押し込めていた。

そんな娘の心情を思うと、胸がギュッと締め付けられました。


■筆箱を変えた後は…

その後、娘と相談をして、筆箱をファスナー形式のペンケースに替えることに。

低学年だとまだ周りは筆箱が多く、娘はちょっと抵抗があったようですが、その効果はてきめんでした。

鉛筆も消しゴムも定規もひとつのところに入れれば大丈夫! というペンケースは、娘にとって最高のパートナーになり、鉛筆が知らぬ間に減っていることもなくなりました。

鉛筆が知らぬ間に減っていることもなくなりました
ひとつひとつのものを大切に、あるべき場所に収納する、ということを教え、身につけさせてくれる筆箱。

その存在は大切ですし、今年小学生に上がる息子にもばっちり購入しました。

でも、子どもの特性によっては、それを扱うのがとても大変なこともあるのだと、娘は、そしてあの筆箱は、教えてくれました。

そのことを考えると、あのときに買った筆箱も、私と娘にとっては大切な宝物です。

もし、お子さんの鉛筆がなくなる、筆箱にちゃんとしまうことができない…ということがあったら、「筆箱が合ってない…!?」という場合もあるかもしれません。


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