【世田谷区】赤ちゃんを抱っこした中学生の意外な感想とは? 「赤ちゃんとのふれあい体験」がもたらす大切なこと
今年、WEラブ赤ちゃんプロジェクトは立ち上げから10周年を迎えました。「公共の場で赤ちゃんが泣いてしまったとき、周囲で温かく見守っている人がいることを可視化したい」——その思いに賛同してくださる自治体や企業との連携も、少しずつ広がっています。
東京23区で唯一の賛同自治体である世田谷区では、赤ちゃんと保護者が区内の学校を訪問する『赤ちゃんとのふれあい体験授業「通称:赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」』を順次スタート。この事業は2019年から区の補助事業として実施しています。
今回お話を伺ったのは、実際に10年ほど前から中学校へ足を運び、ふれあい体験を行っている「NPO法人せたがや子育てネット」の代表・松田妙子さん、横井真貴子さん。世田谷区の事業となった今も、その運営を担っています。この活動の始まりの経緯から、現場のリアルな声まで、詳しくお話を伺いました。
ー赤ちゃんとのふれあい体験授業「赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」とはどんな取り組みか、まず教えてください。
0歳の赤ちゃんとその保護者が、世田谷区内の学校を訪問する体験型の授業です。10組ほどの赤ちゃんと保護者が各クラスを訪れて、学生が実際に赤ちゃんを抱っこしたり、あやしたりします。赤ちゃんとふれあう機会がほとんどない子どもたちにとって、子育てのリアルを体感できる貴重な場になっています。現在は区内26校が参加しています。
ーこの取り組みは、いつから、どんなきっかけで始まったのですか?
始まったのは10年ほど前、中学校の校長先生と話す機会をいただいたことがきっかけでした。最初は区の正式なプログラムではなく、ほんとうに小さなところから始めたんです。でも、実際にやってみると中学生の反応がとてもよくて、少しずつ訪問する学校を増やしていきました。実績を積み重ねるうちに区の取り組みとして認められ、今の形になっていきました。
ーそれはとても感慨深いですね。小・中学校の子どもたちの約40%が「赤ちゃんを抱っこしたことがない」という世田谷区の生活実態調査データもあります。参加した中学生たちは赤ちゃんとのふれあい体験をして、どんな反応ですか?
毎回、こちらが驚くような言葉が返ってきます。アンケートには「人形みたいだと思ってたけど、ちゃんと意思があった」「自分が赤ちゃんのとき、どんな様子だったか知りたくなった」「命は自分一人のものじゃなくて、いろんな人が関わって、すごく尊いものだと思った」といった声が出ました。「弟や妹にもっと優しくしようと思った」という子も多いです。実際に赤ちゃんを抱っこすることで、この授業だからこそ生まれる気づきがあるように感じます。また、それが10年続いてきた理由なのかもしれません。
ー参加するお母さんたちはどんな感想を持たれるんですか?
中学生たちは育児のことを一生懸命質問してくれるんですね。「赤ちゃんって一日何時間寝るんですか?」「ぐずったらどうするんですか?」といった感じに。毎日赤ちゃんと二人きりで過ごしているお母さんたちにとって、外から自分の子育てを見てもらう機会はなかなかありません。「私、頑張ってるんだな」と思えた、というお声をよくいただきます。また、「自分の子どもも、いつかこんな中学生になるのかな、と未来を想像しました」という言葉も。地域の子どもたちと関わり、お母さん自身も認めてもらえる体験が、孤立しがちな子育てを地域とつなぐ架け橋になっていると感じています。
ー活動を続けるうえで、特に大切にしていることはありますか?
「地域で子育てをする文化」や「見知らぬ誰かも、自分と同じように大切な存在なんだと知る」ということに気づいてもらうきっかけにしたいと思っています。地域で子育てをする文化を次の世代に伝えたい、子育ては保護者だけが担うものじゃなく、地域みんなで見守るものだという意識を育てていきたい——そういった思いがこの活動の根っこにあります。
ーWEラブ赤ちゃんプロジェクトの紹介も中学生にしてくださっているとのこと。ありがとうございます。このプロジェクトは中学生にどういった形で届くと思われますか?
「赤ちゃんふれあい体験」を通して、赤ちゃんが自然と泣くことを知った中学生たちは、きっと街ですれ違った赤ちゃんにも、泣いている原因に想像力を働かせてくれると思うんです。「電車の中が暑いから泣いてるのかな、眠いのかな、赤ちゃんオムツが濡れて泣いてたのかな」と想像すると、「泣くのは自然なこと」って思える。赤ちゃんが泣くのは、赤ちゃんなりの言葉で意思表示してると知ってもらえると思うんです。これってまさに「泣いてもいいよ!」の気持ちですよね。
それだけでなく、泣いている赤ちゃんを見て、「私はちょっと苦手かも」と気づく場合もあります。でも、そう感じるのも自然なこと。
この活動が、お互いがお互いを尊重して、思いやれる社会づくりのきっかけになったら嬉しいです。
ー貴重なお話、ありがとうございました。最後に、ふれあい体験に赤ちゃんを連れて行こうか迷っている、参加したいと思っているママ・パパへメッセージをお願いします!
中学生たちは赤ちゃんと会える日を、本当に楽しみにしています。「私には難しそう」と思わなくて大丈夫ですよ。赤ちゃんがそこにいてくれるだけで、中学生たちは目を輝かせてくれます。ぜひ気軽に来てください。赤ちゃんと一緒に参加してくださるママ・パパを随時募集していますので、世田谷のホームページまでお気軽にお問い合わせください。
【赤ちゃんとのふれあい体験授業「赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」】世田谷区公式HP内
東京23区で唯一の賛同自治体である世田谷区では、赤ちゃんと保護者が区内の学校を訪問する『赤ちゃんとのふれあい体験授業「通称:赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」』を順次スタート。この事業は2019年から区の補助事業として実施しています。
今回お話を伺ったのは、実際に10年ほど前から中学校へ足を運び、ふれあい体験を行っている「NPO法人せたがや子育てネット」の代表・松田妙子さん、横井真貴子さん。世田谷区の事業となった今も、その運営を担っています。この活動の始まりの経緯から、現場のリアルな声まで、詳しくお話を伺いました。
赤ちゃんを連れて中学生に会いに行く… 子どもたちの反応は?
ー赤ちゃんとのふれあい体験授業「赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」とはどんな取り組みか、まず教えてください。
0歳の赤ちゃんとその保護者が、世田谷区内の学校を訪問する体験型の授業です。10組ほどの赤ちゃんと保護者が各クラスを訪れて、学生が実際に赤ちゃんを抱っこしたり、あやしたりします。赤ちゃんとふれあう機会がほとんどない子どもたちにとって、子育てのリアルを体感できる貴重な場になっています。現在は区内26校が参加しています。
ーこの取り組みは、いつから、どんなきっかけで始まったのですか?
始まったのは10年ほど前、中学校の校長先生と話す機会をいただいたことがきっかけでした。最初は区の正式なプログラムではなく、ほんとうに小さなところから始めたんです。でも、実際にやってみると中学生の反応がとてもよくて、少しずつ訪問する学校を増やしていきました。実績を積み重ねるうちに区の取り組みとして認められ、今の形になっていきました。
最初の授業に参加した中学生たちはもう24歳になるんですよ。
ーそれはとても感慨深いですね。小・中学校の子どもたちの約40%が「赤ちゃんを抱っこしたことがない」という世田谷区の生活実態調査データもあります。参加した中学生たちは赤ちゃんとのふれあい体験をして、どんな反応ですか?
毎回、こちらが驚くような言葉が返ってきます。アンケートには「人形みたいだと思ってたけど、ちゃんと意思があった」「自分が赤ちゃんのとき、どんな様子だったか知りたくなった」「命は自分一人のものじゃなくて、いろんな人が関わって、すごく尊いものだと思った」といった声が出ました。「弟や妹にもっと優しくしようと思った」という子も多いです。実際に赤ちゃんを抱っこすることで、この授業だからこそ生まれる気づきがあるように感じます。また、それが10年続いてきた理由なのかもしれません。
ー参加するお母さんたちはどんな感想を持たれるんですか?
中学生たちは育児のことを一生懸命質問してくれるんですね。「赤ちゃんって一日何時間寝るんですか?」「ぐずったらどうするんですか?」といった感じに。毎日赤ちゃんと二人きりで過ごしているお母さんたちにとって、外から自分の子育てを見てもらう機会はなかなかありません。「私、頑張ってるんだな」と思えた、というお声をよくいただきます。また、「自分の子どもも、いつかこんな中学生になるのかな、と未来を想像しました」という言葉も。地域の子どもたちと関わり、お母さん自身も認めてもらえる体験が、孤立しがちな子育てを地域とつなぐ架け橋になっていると感じています。
ー活動を続けるうえで、特に大切にしていることはありますか?
「地域で子育てをする文化」や「見知らぬ誰かも、自分と同じように大切な存在なんだと知る」ということに気づいてもらうきっかけにしたいと思っています。地域で子育てをする文化を次の世代に伝えたい、子育ては保護者だけが担うものじゃなく、地域みんなで見守るものだという意識を育てていきたい——そういった思いがこの活動の根っこにあります。
「泣いてもいいよ!」そう思う裏側にあるものとは?
ーWEラブ赤ちゃんプロジェクトの紹介も中学生にしてくださっているとのこと。ありがとうございます。このプロジェクトは中学生にどういった形で届くと思われますか?
「赤ちゃんふれあい体験」を通して、赤ちゃんが自然と泣くことを知った中学生たちは、きっと街ですれ違った赤ちゃんにも、泣いている原因に想像力を働かせてくれると思うんです。「電車の中が暑いから泣いてるのかな、眠いのかな、赤ちゃんオムツが濡れて泣いてたのかな」と想像すると、「泣くのは自然なこと」って思える。赤ちゃんが泣くのは、赤ちゃんなりの言葉で意思表示してると知ってもらえると思うんです。これってまさに「泣いてもいいよ!」の気持ちですよね。
それだけでなく、泣いている赤ちゃんを見て、「私はちょっと苦手かも」と気づく場合もあります。でも、そう感じるのも自然なこと。
中学生のころにそんな自分を知れることも、また大切なことだと思います。
この活動が、お互いがお互いを尊重して、思いやれる社会づくりのきっかけになったら嬉しいです。
運営団体「せたがや子育てネット」の代表・松田さん(左)と横井さん(右)
ー貴重なお話、ありがとうございました。最後に、ふれあい体験に赤ちゃんを連れて行こうか迷っている、参加したいと思っているママ・パパへメッセージをお願いします!
中学生たちは赤ちゃんと会える日を、本当に楽しみにしています。「私には難しそう」と思わなくて大丈夫ですよ。赤ちゃんがそこにいてくれるだけで、中学生たちは目を輝かせてくれます。ぜひ気軽に来てください。赤ちゃんと一緒に参加してくださるママ・パパを随時募集していますので、世田谷のホームページまでお気軽にお問い合わせください。
【赤ちゃんとのふれあい体験授業「赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」】世田谷区公式HP内