育児と家事と、雑事に追われた3カ月...パパが育休取得で知ったこと
男性の育児休業取得率はわずか2.3%(2015年厚生労働省調べ)。期間も2週間未満の短期間が半数以上だという現実。なかなか出会うことのなかった育児休業取得パパ。とうとう見つけました!
長くて短い3カ月
今年2016年4月から3カ月の育児休業を取得した上田千秋さん。復職して1カ月もたたない7月に、お散歩コースの商店街で待ち合わせをしました。1歳になったばかりの娘のNちゃんと一緒です。
47歳でパパになった上田さんが“育休”を取得したきっかけは「疲れた妻をサポートして彼女のストレスを軽減したかったから」。温厚だった奥さんが、産後から少し強い口調になり、厳しい表情を見せ始めたことが気になっていたのだとか。
マスコミ関係の仕事をされている上田さん自身も、約2年前に育休について取材。制度を知っていくうちに、実際に使ってみたいという気持ちが芽生え、実際に取得するに至ったそうです。
では、取得してみてどうだったのでしょうか?変化や気づきなどを聞かせてもらいました。
パパの気付き
“世の中のお母さんはなんて大変な仕事をしているのだろうか・・・”
「頭ではわかっていたんですよ、大変な仕事だって。でも実際にやってみて“実感”としてわかりました」と上田さん。朝起きて食事を作り、食べさせてから子どもを連れて散歩。合間に洗濯、掃除に買い物。育休中は料理にも挑戦したそう。
「育児だけでなく、次から次へと迫ってくる“家事”と“雑事”。読書やランニングの趣味も少しは楽しめるかと期待していたのですが、甘かったです」
育休前も休みの日は子どもと過ごしていた上田さんですが、それはただの“いいとこ取り”でしかなかったと言います。
「もう1つ誤解していたのは、働いているママだけが大変だと思っていたこと。でも実際はそうではなくて、専業主婦のママもものすごく大変だと知りました」
育休に入ってから、大人との会話がめっきり減った上田さん。上田さんの場合は専業主婦の妻が家にいたことで、孤独を感じることはなかったそう。でも妻は毎日、朝から晩まで子どもと1対1。仕事という別の世界、逃げ場のない主婦がひとりで育児と家事をこなすのはとても大変なことだと体感したと言います。
「この3カ月でお母さんを見る目が変わりましたね。
自分の母親も含め、妻にもより感謝するようになりました」。母親代表の一人として、私まで感謝されている気分になる、うれしい言葉でした。