子育て情報『ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ』

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

2018年4月15日 12:29
 

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

これから大きく変化する社会を生き抜くためにも、幼児期にタフな心と体を育んでほしい。「でも、うちの子は運動が苦手だし…」「毎日公園に連れて行くのは大変」という人も大丈夫。ママの知らない運動好きな子の育て方、教えます!

◆お話を聞いたのは…杉原隆さん
一般財団法人 田中教育研究所所長。東京学芸大学名誉教授。専門はスポーツ心理学、体育心理学。同大学教授時代に附属幼稚園の園長を6年間兼務。子どもの運動能力についての研究を長年行い、幼稚園での講演、TVや雑誌の取材も多数受けている。「幼児期における運動発達と運動遊びの指導」(共著、ミネルヴァ書房)。

●何段もの跳び箱を跳べても運動が得意とは限りません
跳び箱を何段も跳べる子、逆上がりができる子。すごく「運動が得意」なように思えますね。しかし長い目で見ると、そうとも言い切れません。幼児の運動能力全国調査では、特別な体育指導を受けた子よりも、遊びで体を動かしている子の方が体力テストの点数が高いという結果が出たのです。右ページの図を見てください。運動に必要な能力は「運動コントロール力(運動神経)」と「運動体力」に分かれます。知っておいてほしいのは二つの力は育てるべき時期に違いがあることです。
「運動コントロール力」というのは転ばないようバランスを取る、歩くときと走るときで足のリズムを変えるといった、身のこなし全般のことです。幼児期にいろいろな動きを経験するとたくさんの神経回路ができ、運動神経のいい子が育ちます。一方どんなに跳び箱や鉄棒が上手でも、特定の動きしか経験しない子には偏った神経回路しか形成されません。運動の基盤となる力が育たないためです。

●運動神経は幼児期の「遊び」で決まります
下に、運動コントロール力を高める「さまざまな基本の動き」を挙げました。「えーっ、大変そう」と思った方、無理なく子どもがトライできる方法があるので大丈夫。それは「遊び」です。
例えば、マラソンでは走り方は常に一定です。でも鬼ごっこなら、「曲がる」「急に止まる」「よける」といった、いろいろな動きを一度に経験できます。さらに、決められた動きを行うよりも自分の思うがままに体を動かした方が、脳はより発達することが分かっています。遊びで楽しく体を動かした子ほど、運動神経が育つのです。
体力 「体力」とひと言で言ってもたくさんの要素が含まれています

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

<防衛体力>…疲れにくい、風邪をひきにくいなど、体を健康に保つ抵抗力のことです。体をたくさん動かすことで、行動体力とともに防衛体力も伸びていきます。

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

<行動体力>…体を動かすときに必要な能力のこと。「運動コントロール力」と「運動体力」に分けられます。

※「行動体力」は2つの力に分けられます※
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

<10歳以降に育つ運動体力>…筋肉を収縮させて、運動をするためのエネルギーを生み出す力のこと。筋力・持久力・瞬発力などは運動体力に当たります。成長ホルモンが盛んに分泌される10歳以降によく伸びていきます。
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

<児期の今育つ運動コントロール力>…脳が筋肉に指令を出して動きをコントロールする、いわゆる「運動神経」のこと。どんな運動をするときにも基盤となる力です。脳に神経回路が盛んにつくられる幼児期から10歳ごろまでが最もよく伸びる時期です。
●運動コントロール力を高める、幼児期に経験しておきたい基本の動き
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ


●いつもの公園や家でもできる運動神経がよくなる! 遊びの工夫5つ
文部科学省が発表した「幼児期運動指針」には1日60分、楽しく体を動かすことが必要だと書かれています。
平日は園にお任せできますが、休日や長期休みは、ママやパパの出番!「そんなに長い時間付き合えるかな?」と思うママへ、いつもの場所でできる体を動かす遊びの工夫を紹介します。

<時間・場所・道具を整えて自主的な遊びを促そう>
運動コントロール力は、自分から進んで体を動かしたり遊び方を工夫することで発達していきます。つまり運動好きな子に育つためには、遊びが「自主的なものかどうか」が肝心です。
例えば鬼ごっこでも、先生や親が一から十までルールを決めていては「遊び」と言えません。もちろん最初は大人がルールを教えても構いませんが、徐々に子どもが工夫できる余地を増やし、その工夫を認めて褒めましょう。褒められることで子どもは自信がつき、運動好きの芽が育ちます。
ただし、「遊ぶ時間、場所、道具」を整えることは大人の役目。この3つは子どもが自分で用意できないからです。ここで紹介している工夫を参考にして遊びに取り入れてくださいね。

(1)“砂遊びや虫の観察”など静かな遊びでもOK
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

「体を動かす」というと、全身を使ったダイナミックな遊びを想像しがちですが、必ずしもそうでなくて構いません。例えば砂遊びの中にも「座る」「(水や砂を)運ぶ」「掘る」といった動きが含まれています。

(2)“遊び道具”はできれば子どもに選ばせて
たくさんある遊び道具の中から「どれにしようかな?」と自分で考えて選ぶことも、「自主的な遊び」にとって大事なこと。ボールのような比較的手軽に用意できるものであれば、大きいもの、小さいもの、軟らかいものなど、何種類か用意しておくといいでしょう。

(3)“シンプルな道具”で工夫を引き出そう
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

ロープひもなどのシンプルな道具ほど、「その上を飛び越える」「縁に沿って歩く」など遊びの工夫のしがいがあるもの。ママやパパが面白そうに遊ぶ姿を見せれば、子どもも自然とやりたがるはずですよ。

(4) “お手伝い”も体を動かす要素がいろいろ
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

例えば布団の上げ下ろしなら「運ぶ」「持ち上げる」など、お手伝いにも「基本の動き」がたくさん。子どもが自分からやりたがるお手伝いがあったら、運動のためにもチャレンジさせてみるといいですね。

(5)たまには“自然”の中で自由な動きを引き出す
ママが運動オンチでも大丈夫! わが子を運動好きに育てる秘けつ

石を跳び越えたり、舞い落ちる葉を追いかけたり。自然は環境がさまざまに変わるからこそ、「あれは何だろう?」「あっちにも行ってみたい!」という気持ちが引き出されます。ゴールデンウィークなどの長い休みには、家族で自然を楽しんでみてくださいね。

●ママが気になる運動の疑問にお答えします
「運動コントロール力」の大切さは分かったけれど…でもやっぱり疑問が残ります! そんなママたちの質問を、杉原さんに聞きました。

Q:スイミングに通わせているので運動は十分にできていると思うのですが…
A:特定の運動ではたくさんの神経回路が出来上がりません
水泳以外にも遊びで体を動かしているという場合は問題ありません。ただ、これまでお話ししてきたように、特定の動きでは偏った神経回路しかできませんから、「水泳をやっているから大丈夫」と思うのは間違いです。
よく、園の先生からも「保護者から園でマラソンをやらせてくれという声が上がる」と相談を受けますが、これも、親や先生が強制的にやらせては意味がないのです。幼児期は好きな遊びを通じて満遍なく体を動かすことが大事だと、ママたちに知ってもらいたいですね。

Q:私もパパも運動オンチ。うちの子もきっと運動が苦手ですよね?
A:運動神経は遺伝だけでなく運動経験の影響を大きく受けます
運動神経は遺伝するものではありません。ただ、ママやパパが運動オンチだからといって運動から遠ざかると、必然的に子どもも運動が苦手になります。さらに、研究では運動が得意な子ほど成長後も自信や積極性が高いことが分かっています。ママも記憶にあるかもしれませんが、幼いときほど運動ができる子は注目されるもの。難しい言い方をすると、幼児時代は「運動が自己意識の大部分を占めている」のです。自信や積極性がつくという心の発達からも、遊びを通して運動を好きになる経験を積んでほしいです。

Q:オリンピック選手は幼いうちに競技を始めています。早くに習わせた方がいいのでは?
A:一流選手=幼少期から始めているとは限りません

例えば錦織圭選手がテニスに的を絞ったのは12歳のときだったそうです。20世紀を代表するゴルファー、ジャック・ニクラスがゴルフを始めたのは10歳です。テレビでは、幼いうちから練習に励む選手が取り上げられやすいので、そのイメージが強いかもしれませんが、幼少期から始めないと一流選手になれないということは決してありません。
ちなみに私は10歳までを「遊びで運動コントロール力を育む基盤形成期」、中学生までを「いろいろな運動を経験するお試し期」、高校生以降を「特定のスポーツに専門化する時期」と考えています。発達の段階に合わせて運動の仕方も変えていくことが大切です。

巻頭特集監修/西東桂子さん(あんふぁんサポーター)illustrationSHIBATA Keiko

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
子どもの教育アンケート
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
ピックアップ
上へ戻る

Copyright © 1997-2018 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.