2016年7月25日 14:00
[第3回]「聞こえたフリはもう出来ない」1人暮らしを始めて難聴と向き合えた
女優を始めてから、東京での1人ぐらしを開始
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10199000156
編集部:女優を始めたときは、地元の奈良から通われていたんですか?
津田:最初はそうですね。お仕事を始めてからは、できるだけ学校も頑張って行こうと思っていました。
お仕事で学校を休む必要がある場合も、そもそも不登校だったのでむしろ「仕事」という明確な理由がある欠席はあまり気にならないというか…(笑)
編集部:奈良から毎回東京まで通うの、大変そうですね…
津田:いや、新幹線に座っているだけなので(笑)長期間講演する舞台が決まったときに本格的に上京しましたが、それからの方が大変でした。
編集部:1人暮らしですか?
津田:そう、1人ぐらし。21歳ごろかな。それまで親がやっていくれていた家事の大変さと、「1人じゃ何も出来ないんだ」ということを痛感しました。
トイレから水が出てきちゃった時は、業者よりも先に父に電話して、「なんや、どしたん」と助けてもらい、指示されるがままトイレのタンクを開けて…と、初めてのことだらけでしたね。
編集部:あはは(笑)
津田:料理もしてこなかったから、唐揚げをつくったときに火災警報器がなってしまった事もありました!
編集部:えっ…でも最初から揚げ物とは、難易度の高い挑戦ですね。
津田:いや〜ホントですよね(笑)
聞こえないのにわかったフリをしていた。それも、もう出来ない。
津田:この1人暮らしのおかけで強くなれました。
今も親とは離れて暮らしていますが、もし今近くに親がいたら、息子の市役所も保育園も「着いてきて」って甘えてしまうと思います。やっぱり大勢の中でのコミュニケーションが聞き取れないので…
1対1なら「もう少しゆっくりお願いします」と言えるのですが、集団になるとどうしても言えずに「何言っているんだろう」という時間が続いてしまうんです。
編集部:そんなときはどうしているんですか?
津田:例えば保育園の保護者会とかは、終わって他のお母さん達が帰ったあとに先生に声をかけて、「すいません、もう1回お願いします」と言うようにしています。
津田:昔はそれが出来なくて、いつも「わかったフリ」をしていました。
アルバイトをしていたときも、店長がスタッフ2,3人に指示をだしたとき、隣の子が「はい」