2017年5月17日 08:54
NHKが1年がかりの「発達障害プロジェクト」を始動!番組横断で発達障害の多様な姿を伝えます
人口の9割が「定型発達症候群」!?NHKが発達障害プロジェクトをスタート
「およそ20年前に、アメリカの研究所が残した報告から、全人口の9割以上がある深刻な症状にあることが判明しました。」
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とあるニュース番組で、キャスターが紹介した「衝撃のレポート」
以下のチェック項目に一つでも当てはまったら、人間関係に深刻な問題を引き起こしかねない、「定型発達症候群」の可能性があるというのです。
・暇な時はなるべく誰かと一緒に過ごしたい
・集団の和を乱す人を許せない
・社会の慣習にはまず従うべきだ
・はっきりと本音を言うことが苦手
・必要なら平気でウソをつける
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…実はこれは、NHKが制作した架空のニュース動画なんです。
NHKが2017年5月から1年をかけて展開する、「発達障害プロジェクト」のページ上で公開されています。
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http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/
NHK「発達障害プロジェクト」
「定型発達症候群」という言葉にびっくりした人もいるかもしれませんが、これは、医学上の病名でも、公式に定められた障害の名前でもありません。
1998年、発達障害のひとつASD(自閉スペクトラム症)と診断された海外の一般女性が、ASDに関するさまざまな報道への皮肉の意味で「創作」した言葉が発端であると言われています(諸説あり)。
「定型発達」とは、発達障害と対比して、心身の発達が「定型(平均的)」という意味で、「発達障害ではない人」をさす言葉として用いられます。
つまり「定型発達症候群」とは、発達障害の人から、いわゆる「普通の人」を見た視点です。
でも、「普通」ってそもそもなんでしょうか?全人口の大半の人が定型的(平均的)に感じているから「フツウ」?それじゃあ、違った感じ方をしている人は「フツウ」ではないの?
そんな問題提起の意味も込めて、冒頭の架空のニュース動画はつくられました。NHKの発達障害プロジェクトでは、これまで当たり前に考えられてきた「普通」の概念にとらわれず、発達障害のある人々の感じ方・考え方を様々な角度から紹介していくことで、発達障害のあるなしに関わらず、一人ひとりの多様な感じ方や生き方への理解の促進をめざしていきます。