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元教員で、発達障害児の母の私が考える、学校との信頼関係の築き方

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子どもが学校に通っているときに悩ましいこと

元教員で、発達障害児の母の私が考える、学校との信頼関係の築き方

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発達障害児の子育てで悩むことの1つに、学校や先生とどう付きあっていけば、子どもが安心して通えるのか?という悩みがあると思います。

私は先日、ちょうどこの悩みを取り上げたテレビ番組を視ていました。
12月2日に放映されたNHK・Eテレ「ウワサの保護者会~子どもの発達障害Part3学校とのつき合い方」です。

ご覧になった方も多いのではないでしょうか。番組では、学校との関係に悩むたくさんの保護者の声が紹介されていました。
その中で代表的だったのが「学校が子どもの発達障害を正しく理解してくれない」というもの。

理解のない先生に叱られ続け、学校に行けなくなってしまったお子さんの話や、逆に「障害がある」と決めつけて子どもの悪いところばかりを指摘する先生のお話が紹介され、そこには「学校への不信感」が強く表れていました。

でも子どもが安心してのびのびと学校生活を送るためには、「先生が悪い!」と責めるだけ、あきらめるだけで終わらせるわけにはいきませんよね。
先生になんとか理解してもらうには、協力してもらうには、どうしたらいいのでしょうか?

http://www.nhk.or.jp/hogosya-blog/
NHK Eテレ「ウワサの保護者会」

14年前、私も教員だった。まだ発達障害そのものが知られていなかった頃…

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この番組を見て、自分が教員だった頃のことを思い出しました。
今から14年ほど前は、まだ「ADHD」「発達障害」などという言葉は教育現場でさえほとんど知られていない時代です。

私が受け持っていたクラスに「ADHD」の診断を受けた男の子がいました。4月の家庭訪問でその子のお母さんから「これ読んでください!」とある本を渡されたのです。それは、当時出版されたばかりの『のび太・ジャイアン症候群』という本でした。お母さんからはその他に、子どもの特性と一緒に「このように配慮してほしい」とたくさんの説明を受けましたが、小学校に赴任したばかりの新米教師だった私は正直、いっぱいいっぱいでした。

特性や配慮事項についてはなんとなく認識しましたが、さすがに本を読む余裕はありませんでした。その子に対し、あまり手をかけてあげられなかったのが、今とても悔やまれます。


https://www.amazon.co.jp/dp/4072621315/
新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群 司馬 理英子 (著)

両者の立場がわかるからこそ、できることがあるはず

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私は元教員という立場と、発達障害児の母という両方の立場を経験し、両者の葛藤や考えがわかるようになりました。
その経験を生かし、自分が母として学校の先生と関わっていくとき、心がけていたことをご紹介したいと思います。

一番最初にしたことは「まずは先生に感謝を伝えること」でした。

教員経験があるからわかるのかもしれませんが、先生は想像以上に多忙です。子どもの指導だけではなく、大量の事務仕事や様々な会議に追われています。

そのため、まず親としてそのことに感謝し、労わりの言葉を先生には伝えていました。
また、ほんの小さなことでも子どもの成長が見られたら、それを先生に伝えて「ありがとうございます!」と感謝しました。

たとえその成長が直接先生の指導と関係なくても、子どもの成長は先生にとっても嬉しく、親に感謝されたら尚更だと思うのです。
それが、「この子をもっと伸ばしてあげよう」という、教師のやる気につながることも多いのです。

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感謝を伝えた上で、「この子はこのようなところがあるので、このような配慮をして頂けるとありがたいです。」ということを丁寧にお願いしていきました。

その際には、病院や教育相談でこのようなアドバイスを受けたので、と、親の主観ではなく専門的な知見からのお願いであることを強調していました。

そして、家で用意できるものは用意します、など、学校任せではなく家庭でも最大限の努力をしました。
もちろん、全員の先生が、子どもの特性や配慮事項を理解してくれた訳ではありません。宿題への配慮を「みんなと同じでないと困るので」と断られたこともあります。

それでも、このような先生への対応を続けていったことで、いつでも話ができ、できる範囲での配慮をして下さる関係を、保ち続けることができました。

先生と親は、共に子どもを見守っていく同志でありたい

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最後に、「ウワサの保護者会」の中で、面白い!と思ったエピソードがあります。


あるお母さんが子どものことで朝の7時半に学校に電話をしたら、ちょうど担任の先生が出たとのこと。その先生も子育て中だと知っていたので「朝早くから大変ですね~」と言ったのだそうです。

そうしたら、その先生が「そうなんですよ~!」と、いつもの声と違った素の声で返してきたのだとか。それ以来、そのお母さんと先生はフランクにお話ができるような気さくな関係になれたのだそうです。

先生に、子どもに寄り添ってもらいたい、と思ったらまずはこちらが先生に寄り添ってみる。

「子どもを見守っていく」という同じ目標に向かって協力する同志になるためには、先生と人間的な心のつながりを持てるよう、関係を築くところから始めるのも、1つの方法なのですね。

子どもを守るためには、先生と保護者とで一緒に考えていくことが大事!
番組もそう言っていましたが…保護者だけではなく、学校や先生方にも、子どもや保護者に寄り添おう、一緒に考えよう、という姿勢になっていってほしいと願います。

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