2016年12月28日 20:20
失語症とは?原因や症状、リハビリの方法や周りの人とのコミュニケーションまとめ
失語症とは
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10131011422
失語症とは言語障害の一つで、脳の言語中枢が何らかの損傷を受けることによって、言語を操る能力に障害が残った状態を言います。
具体的には、言いたい言葉が浮かんでこない、思ったことと違う言葉を口にしてしまうことなどが症状としてあげられます。
私たちが言葉を覚えるとき、言葉そのものを覚えることに加えて、その言葉が指し示している「もの」はどのようなものかを同時に学んでいます。
そして脳の中には「クルマ」「リンゴ」といった言葉そのものを貯蔵する「言葉の貯蔵庫」と、「クルマ」「リンゴ」がどのようなものを意味しているのかを貯蔵する「意味の貯蔵庫」の2つがあります。この貯蔵庫には無数の引き出しがあり、またそれぞれの引き出しが相互につながっています。
私たちが「話す」とき、膨大な言葉の引き出しと意味の引き出しが適切に対応しているため、表現したいこととぴったりの言葉を選ぶことができているのです。
しかし失語症になると、この言葉の引き出しと意味の引き出しのつながりが混乱してしまいます。言葉の貯蔵庫も意味の貯蔵庫も頭の中には残っているのですが、一つひとつの意味の引き出しに対応している言葉の引き出しをすばやく探すことが困難になります。
そのため言いたい言葉が浮かばず何も言えなくなったり、「テレビ」と言いたいのに「メガネ」と言ってしまったりするのです。
「失語症」という名称から、言葉を発することや話すことに困難が生じている状態だととらえられがちです。しかし失語症になると話すことだけでなく、聞く・読む・書く・話す・計算するといった言葉にかかわるすべての作業が難しくなります。
失語症はよく、「言葉の分からない国に放り出された状態」にたとえられます。私たちが外国に行ったとき、現地の人とは言葉が通じず、相手が何か言っていることは聞こえますがその内容を理解することはできません。看板などに何か書いてあることは分かりますが、音読したり意味をつかむのは難しいです。相手に伝えたいことや自分の考えはあるのですが、それをすらすらと伝えることも困難です。このように、失語症になっても聴力や視力、記憶力や判断力などには問題がないのですが、言葉にかかわる働きのすべてがうまくいかなくなってしまいます。