視空間認知って?「見る」ことのメカニズム・検査・強化するトレーニング法、発達障害との関連について
視空間認知に課題がある場合には、以下のような姿が見られることが考えられます。
例えば、
【生活】
・探している本を本棚から見つけることができない
・ぬり絵をするとき、枠からはみ出たり、すきまだらけになってしまう
・人の顔をなかなか覚えられない
【学習】
・教科書の中から特定の単語を探し出すことができない
・文字(漢字やひらがな・アルファベットなど)をなかなか覚えられない
・図形の問題が苦手
【スポーツ】
・ダンスを見て覚えたり、まねしたりするのが苦手
・飛んでくるボールをうまくつかむことができない
これらの項目に多く当てはまる場合には、視空間認知機能に弱さが見られる場合があります。視力の問題はともかく「見えにくさ」の問題は、子どもが自ら気づくことは少なく、周りもなかなか気がつかないことが多いです。
視空間認知が成立するまでの「見る」ことのメカニズムって?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387003135
そもそも、私たちはどのようにものを「見て」いるのでしょうか。ものを見るために必要な機能はさまざまです。視空間認知機能は、たくさんの「見る力」のうちのひとつの機能にすぎません。
「見る力」と聞いてまず思い浮かべるのは視力でしょう。視力とは、目に見える物体を鮮明にとらえる力のことで、止まっているものの形を見分ける力です。
しかし、たとえ視力がよくても「見る力」のはたらきが優れていとは限りません。
「見る力」は、「入力」「情報処理」「出力」という3つのステップから捉えることができます。この3つは関連し合っており、この3つのうち、一つでも欠けてしまった場合には「見えにくさ」が生じ日常生活に支障があらわれてしまいます。
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1.【入力】にあたる「眼球運動」…動いている物体を目で追う、ピントを合わせる
2.【情報処理】にあたる「視空間認知」…目で見た情報を脳で処理する
3.【出力】にあたる「目と体のチームワーク」…目で見たものに合わせて体を動かす
このうち視空間認知は「情報処理」の部分にあたります。ではこれから、私たちがものをどのように見ているのかのメカニズムを3つのステップに分けてお伝えします。
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ものを目で追ったり、視線をすばやく動かしたり、両目を寄せたり離したりするのが眼球運動のはたらきです。