2017年3月26日 14:00
「ダウン症って不幸ですか?」その問いに答えるのは、ありふれた日常の光景
ボク、普通のお父さんですけど、一緒に話をしてもいいですか?
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姫路まさのりさんは、「ダウン症は不幸ですか?」という番組(ABCラジオ)の制作に携わり、ラジオ放送番組部門最優秀賞を受賞された放送作家・ライターです。
今回のコラムでは、姫路さんの書籍・処女作となる『ダウン症って不幸ですか?』をご紹介します。
姫路さんはライフワークとしてダウン症のあるひとたちと向き合い、社会に発信しています。しかし姫路さん自身は福祉や教育に携わる支援者でもなく、ご自身にダウン症があるお子さんがおられるというわけでもありません。
また私も同じく、ダウン症があるわけでも、ダウン症がある家族がいるわけではありません。
いわゆる「当事者」ではないという共通点を持つ人による書籍という点で、同じ距離感に立って読み進めることができました。
ダウン症の子どもを持つ家族、それぞれの真実
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『ダウン症って不幸ですか?』では、5つのご家族の物語がインタビュー形式で掲載されています。姫路さんの筆致は柔和でくすっと笑える部分も多く、取り上げているご家族の情景はとても暖かです。私にとっても、感動し共感を覚えるシーンというのは、ありふれた日常的なエピソードの部分でした。
第2章に書かれている2つ目のご家族、梶原さんの娘さん・文乃ちゃんとそのクラスメイトとのラブラブ仲良しシーンは、自分自身の小学校時代を思い出して「ふふふ」と笑いがこみ上げてきたほどです。
私にとってダウン症がある子との原体験は、同じ学校でお昼休みに一緒に遊んだA子ちゃんです。普通に喋ったりトランポリンで遊んで…というほのぼのとありふれた日常の記憶です。
お昼休みが終わっちゃうのが惜しく、後ろ髪惹かれ、特別支援の教室を後にする前にぎゅーっとみんなでハグをする…そのぬくもりを思い出しました。ひとと触れ合った暖かさというのはいつまでも心に残り、そのことが物事を考え行動する起点にもなります。
世代にもよると思いますが、このように日常にダウン症がある子がいる生活を経験している人は少なからずいらっしゃると思います。