子育て情報『[第2回]うまく喋れないから愛嬌でカバー。でも「親のせいで自分に障害がある」と思っていた』

2017年5月10日 16:00

[第2回]うまく喋れないから愛嬌でカバー。でも「親のせいで自分に障害がある」と思っていた


◆明るく能天気なキャラを演じて、うまく喋れなくても表現と愛嬌でカバーしようと思ったんですよ

ー岩元さんは、昔からこんな前向きだったんですか?

岩元:いやぁ…小学生の頃は凄く大人しかったですね。正直、学校は地獄でしたよ〜、はっはっは!(笑)

ーはっはっは、て(笑)

岩元:例えば音読のとき。

自分の番を待ちながら「どうしようどうしよう」って不安で、いざ自分の番になったら結局何も言えないんです。長い沈黙が続いて、周りの生徒は「おーいどうしたー」、先生はフォローしてくれるどころかちょっと笑っているような感じ。

その状況が本当に地獄でした。

ー吃音と自覚したのは中学生の頃、と仰ってましたね。

岩元:そう、それまでは「周りの友達と自分は違うな」と感じてはいたんですけど、それが何なのかハッキリとはわかりませんでした。

でも、同じ地域に住んでいた男性で、自分と同じように話しづらそうな人がいたんです。
その人が「吃音という言語障害がある」と言うので「あ、自分もきっと吃音なんだな」と。

ショックというよりは、やっぱりな、という納得感でしたね。

[第2回]うまく喋れないから愛嬌でカバー。でも「親のせいで自分に障害がある」と思っていたの画像


ー「吃音」というのを知ってから、何か変わりましたか?

岩元:乗り越えるための自己流の訓練を始めました。新聞の文章をゆーっくり声に出して読んだり、ほんとうに自己流ですけど…医学的に効果があるかはわかりません(笑)

あとは、もともと自分から変わらなきゃって思っていたので「知ったからには自分に出来ることをしよう」という気持ちが強かった。

ー変わらなきゃ、というのはどうしてですか?

岩元:その頃、地元鹿児島を離れ県外の中高一貫校に進学し、寮生活をしていたんです。ということは、6年間ずーっと学校でも寮でも同級生や先輩後輩と一緒なんですよね、男ばっかりで。(笑)

小学校の頃みたく、学校では全く話さずさっさと家に帰って、一息つくということができない。


だから「自分から変わらなきゃいけない」と思ってました。ちょっと無理をして、明るく能天気なキャラを演じて、多少うまく喋れなくても表現と愛嬌でカバーしようと思ったんです。

ー「表現」ですか。

岩元:そう、訓練してもやっぱり言葉で自己表現するのは上手くいかないから。言葉に頼らないような自己表現方法を模索しては、積極的にトライしてました。

ギター、ダンス、手芸、美術、ピアノ、スケート、写真、あとは料理もかな…取り組んだものは極めるというか人並み以上にできるようにはなってたと思いますね。

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