2017年5月12日 16:00
[第4回] 「なぜ出来ないの?」そう最初に子どもに問いかけるのは誰か、考えてみてほしい
◆相手の印象には、吃音よりも「やっぱあいつ面白いわ!」って方が残るようにしよう
ー岩元さんは「自分が変わらなきゃ、今のままじゃダメだ」と、常に自分を開拓する思考でアグレッシブだなぁという印象です。
岩元:そう…なんですけど「吃音以外の部分でなんとかしよう」と無理をした反動で、高校ではおもいっきり病みました!(笑)
「変わろう」という視点自体はいいんでしょうけど、「自分らしいか」といわれると違ったんですよね。スムーズに話せない代わりに、喋るときは思いっきりテンション上げて、相手の印象には吃音よりも「やっぱあいつ面白いわ!」って方が残るようにしようって無理していました。
大げさに身振り手振り使って「ドカーン!ギャー!」みたいな擬音も入れて、ノリと勢いで相手を巻き込む感じ。周囲は好意的な反応でしたけど、そんな自分に疲れて学校に行かなくなりました。高2になってスイッチが切れたようにパタっと。
ーそうでしたか。
岩元:ま、学校に行かないといっても、校舎から歩いて15分の寮にいるんですけどね。
(笑)
寮でゲームして時間潰しながら、からっぽな自分とゆっくり向き合いました。「あぁ、やっぱり自分らしくあろう」とやっと思えたのは、高2の最後の方ですかね。
ー時間が自然とそうさせたんですか?
岩元:んー、いや、どうかな…。
寮の中に人気者がいたんですよ。絶対自分のほうが笑いとって面白いはずなのに、なんで友達は全員彼のほうにいくんだろうって疑問に思ったんです。彼と自分を比較したときに、友達に対してご機嫌をとっているような自分に気付いたんですよね。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11021000776
岩元:取り繕って無理してる姿っていうのは、周囲も感じとるんでしょうね。寮生活だからこそ余計に。
自分を偽るっていうのは相手とちゃんと向き合ってないとも言えるから、そりゃ誰も自分に見向きしないよなと思いました。
それからは、沈黙の時間に無理して盛り上げることを辞めたり、自分の気持ちを我慢せずに伝えたり、とにかく「自分らしくあること」を大切にするようになりました。ー再び「自分から変わろう」というポイントですね。
岩元:そう、やっぱり、自分が変われば、周りもだんだん変わるんですよね。
「なんかやっぱお前いいよな」