2017年7月27日 16:00
「きっとまた泣きわめく…」トラウマだった自閉症の長男との散歩が思い出させてくれたこと
つないだ手を振りほどかれる。泣いて駄々をこねる。長男と一緒に歩くのが辛い…
自閉症の長男は幼い頃からこだわりが強かったため、外に連れ出すのが困難でした。車や電車といった乗り物は大好きなのですが、徒歩で出かけると、決まって座り込んで泣き出すのです。
歩くのが疲れた、行きたい方向と違っていた――おそらくそういった理由だったと思います。
つないでいた手を振りほどき、地べたに座って「あー!」と叫ぶ長男…。
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自閉症という診断が下る前だったこともあり、私は泣きわめく長男が理解できませんでした。
次第に散歩するときは長男をベビーカーに乗せ、定型発達の双子の次男とお喋りしながら一緒に歩くようになりました。
ベビーカーに乗れなくなってからはできるだけ歩かなくていいように、タクシーを使うようになりました。
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長男に対して申し訳ないとは思ったのですが、いつも座りこまれてはどこにも行けません。正直、パニックになる長男の姿を見るのは辛く、恥ずかしくもあったのです。
タクシーがつかまらない!不安だけど一緒に歩こうか
それから何年か経った日のことです。長男は8歳になっていました。
持病があるため定期的に病院に通っているのですが、通院日に困ったことが起きたのです。いつも病院へは電車で行き、最寄りの駅まではタクシーを利用しているのですが、その日はタクシーが一向につかまりません。
また座りこんで泣くのではないか――不安を覚えながらも、仕方なく私は長男と駅まで20分の道のりを一緒に歩くことにしました。
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あれ、長男の様子が前と全然違う…?
外に出た途端、長男は自分の小さな手を私の手に絡めてきました。そしてぎゅうっと握りしめたのです。
小さい頃、どんなに手をつなごうとしても振り払っていたのがうそのように、長男は自分から手を握りスタスタと歩いていきました。時折下から私の顔を仰ぎ見てはにこにこと笑顔を向けます。一緒に歩いていることが楽しくて仕方ないことがその表情からよくわかり、私も温かい気持ちになりました。
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突然立ち止まった長男が口にした言葉は
そうして手をつないでしばらく歩いていたのですが、突然長男がぴたりと立ち止まりました。
そして私に向かって大きな声で言ったのです。