障害名まであなたは伝える?「カミングアウト」に私の出した結論
「○○が苦手です」では、発達障害の実情が上手く伝わらないこともある

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017007081
発達障害のある子のことを説明する際、よく耳にするセリフに
「うちの子は○○が苦手です」
というものがありますよね。私も、療育センターでそのように説明することをすすめられていたこともあり、最初は長男の障害名ではなく「〇〇が苦手なのよ」と特性だけを伝えるようにしていました。障害名を言って偏見を持たれるよりは、具体的な得意不得意を話した方が伝わりやすいだろう…そう思っていたからです。
実際に、そのように伝える方がコミュニケーションが円滑にいく場合もあるでしょう。ですが、私が直面した現実は真逆だったのです。帰ってきた言葉の多くは
「苦手ってことは頑張ったらできるんでしょう?」
「甘やかしすぎじゃない?」
「しつけの仕方が悪いんじゃない?」
といった、息子や私の”がんばり”不足を原因とするかのような反応でした。
「トツカさんって、ほんと過保護よねー」
知らないところでそんな風に言われることもあり、当時はひどく落ち込みました。しかし、今思えばこちらの伝え方のせいで余計な誤解を招いていたのだと感じます。
確かに、「うちの子は○○が苦手です」と突然言われても、それがどの程度苦手かを想像することは難しいですよね。
「うちの子だって大変なのに、この人は何を甘えているの?」
そう思うのは自然なことだと思います。それが定型発達の世界なのです。こうしたことがあってからは、私はあえて先に
「うちの子は自閉症という障害を持っています」
と伝えた後に、
「障害の特性から○○が苦手なため、ご理解いただけると助かります」
というように伝えるようにしました。
もちろん「障害があるから迷惑をかけても許してね」という意味ではありません。「本人も家族も努力をしていますが、それでも難しいことが多々あります。そのためご迷惑をおかけすることがあるかと思うので、もし気になったことがあれば遠慮せずお知らせください」という意味です。
何かあれば常に対応するという姿勢を示しておくことで、理解し合うための土台作りができることに気がついたのです。
発達障害がある子たちにとって“苦手”という感情は生きるか死ぬかのレベルであることも多いです。