[第2回]息子は私の“同志”、子育てしてるなんて思ったことはない
自分のコピーと言われるぐらい、そっくりな息子の子育て
親子そろって自閉症スペクトラム障害の診断を受けた希望さん親子。自分にもお子さんにも発達障害がある育児は、さぞかし大変だろうと思いきや、「ほとんど困らなかったです」という鈴木さん。
鈴木希望さん(以下、鈴木):息子がはじめての子なのですが、子育てにはほとんど困りませんでした。凸凹は大きいですが、父母が「希望のコピーのようだ」というぐらいにお互いの特性が似ているので、こんなもんだと思っていました。
実家のご両親をはじめ、鈴木さんをよく知る新潟の人たちは、息子さんの特性も自然と受け入れてくれたそうです。
むしろ、「希望(のぞみ)と同じなのに、これがどうして“障害”なの?」と言われるぐらい偏見がなく、わざわざ発達障害のことを説明する方が難しかったとのこと。
「診断を受けて楽になった」―障害も含めて個性を認識することで対策ができる
一口に自閉症スペクトラムといっても、一人ひとりの特性や困難はさまざまですが、鈴木さんと息子さんの間には共通点も多く、理解や対処が比較的容易だったとのこと。
鈴木: 子育てに困りはしなかったと言いましたが、特定の場面や刺激への苦手さは当然あります。
息子は音への感覚過敏があって、特定の周波数の音に反応するようです。たとえば、ここの繁華街は平気なのに、別の駅の繁華街に行くとダメ、という感じですね。でも、私も音や光り、臭いへの感覚過敏があるので、そんなこともあるかと落ち着いて対処できます。
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=29000000501
鈴木: 環境の変化にも弱くて、新潟の実家に引っ越した直後は、ほとんど寝なくなり、ずっと泣き叫んでいました。
以前、実家のガスコンロを新調した時も「前のがいい」と言ってパニックになってしまって。環境の変化に対するストレスが大きいみたいなんですが、それも自分に似ているから理解できます。
そんな息子さんは、保育園に入っての集団生活でもマイペースで、一人で黙々と好きなことをして遊んでいることが多かったそうです。ですが、お友達との関わりのなかで大きなトラブルもなく、周囲からも人気者だったとのこと。
特性ゆえの苦手な場面には対処しつつ、過剰に心配したり問題視したりすることなく、息子さんをのびのびと育てている様子の鈴木さん。