子育て情報『ダウン症の息子を育てる僕が、本当に父親になる日~父の日に寄せて~』

2018年6月4日 12:00

ダウン症の息子を育てる僕が、本当に父親になる日~父の日に寄せて~


父になったことを感じる日

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Upload By 黒木 聖吾

もうすぐ父の日だ。父の日は自分が父親であることを感じる日。いつからぼくは父親になれたのだろう?いや、本当になれているのだろうか?

わが家には小学校4年生になった長男、ダウン症のある脩平(しゅうへい)がいる。朝、脩平が元気に家を出て、小学校へ向かう。そんな姿を見ると心からほっとする。

「学校へ行く」そんな簡単なことでさえも、困難な時期があったから。

起きない、着替えない、玄関にしがみつく、泣き叫ぶ…。一体、彼が何につまずいているのか、親として何をしてあげたらいいのか。
夫婦でさまざまなことを話し合い、時には迷いながら子育てをしてきた。


わが家の、夫婦の役割分担

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161012432

妻は出版社に勤務し、書籍の編集者をしている。ある日、取材先から帰ってきた彼女が言った。

「あそこで脩平が働けたらいいな」

妻がそんなことを言ったのは初めてだったので驚いた。というのも、脩平の障害が判明してから、僕と彼女とでなんとなく役割の区分が違ったのだ。

僕は父親として、どちらかというと、子どもの「遠い将来」を考えて活動をしてきた。障害者を取り巻く社会環境を変えたい、将来、自分の子に選択肢を増やしてあげたい。そんな思いから、アクセプションズというダウン症啓蒙のためのNPOに携わっている。


一方妻は、日々の子どもの世話を通して、教育環境を整えたり、地域コミュニティでの理解に尽力している。つまり、子どもの近い将来を考えた活動だ。

と、そんなふうに書くと僕も妻も、なんとも素晴らしい親のように聞こえてしまうかもしれないが、そんなことはない。実のところ、共働き夫婦の僕たちは、目の前の子どもの世話や教育で毎日がいっぱいいっぱい。

とくに妻などは戦場のような毎日で、脩平の将来などまだまったく考えられないし、就労なんて想像さえできないという状態。だから、そんな彼女が突然、口にした言葉に驚いたのだった。その日、彼女が本の取材で訪れたのは、栃木県足利市にある『こころみ学園』。何がそんなに妻の心を動かしたのだろうか。


https://acceptions.org/
NPO法人アクセプションズ


妻の心を動かした、こころみ学園とは?

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こころみ学園とは、1969年、栃木県足利市に誕生した知的障害者施設のこと。

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