2018年8月24日 16:25
不登校の息子の心を溶かしたのは、逃げても隠れても名前を呼び続けてくれた友達の存在
人間関係の問題がないところで始まった、息子の不登校
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10179012470
小学3年の息子は、現在、不登校中である。
親である私が言うのもなんだが、息子は好かれやすいタイプの人間だと思う。もしかしたら好かれやすいというより、学校の児童数が少ないため、学年関係なく全体的に仲が良い、というのが大きいのかもしれないが。それにあやかって、私1人で近所を歩いていても、「ハルくん(息子の呼び名)のお母さん、こんにちは!」と、おそらく違う学年の児童さんからも声をかけてもらうことがしばしばある。
息子も「多数派にすぐ傾いちゃう雰囲気が嫌だ」などと言っていたし、もしかしたら苦手な子もいたのかもしれない。しかし「一人ひとりのことは嫌いじゃない」とも明言しており、もちろん大好きな友達だっている。いじめだとか、人間関係のトラブルが具体的にあったわけではないところで、彼の不登校は始まったのだ。
学校に行っていなくても、近所を歩けば同じ小学校に通う児童さんたちと顔を合わせることもある。
「あ!ハルくんだ!」
嬉しそうに駆け寄ってくる友達の姿を見て、少し照れくさそうに、でも同じくらい嬉しそうに応じる息子。
「どこか悪いの?大丈夫?いつごろ学校に来られそう?」
「んー、今は分からない」
そのようなやりとりをして、朗らかに別れる。向こうも責め立てたくて学校に来る日を尋ねているわけではないし、息子もそれを理解しているから平然と答えている。「次に○○くんに会えるの、いつかなぁ?」なんて発言もしていたくらいだ。
ところが、悪夢を見て私との分離不安を訴えるようになったころから、見知った顔に会うのを嫌がり始めた。
「学校のことを聞かれるの、辛いな…」
放課後の時間帯や休日に近所を歩くことを避けたがるようになった。
「仲の良い友達に会うの、前は喜んでたよね?今は学校のことを聞かれなくても、嫌なのかな?」
「うん。みんなのことを嫌いになったわけじゃないけどね。
会いたいって思わなくなっちゃった」
精神状態も明らかに悪くなっていたし、何の気なしの質問も突き刺さるようになっていたのだろう。息子に合わせ、午後の外出を避けることに別段不便もない私は、そのまま様子を見守ることにした。