子育て情報『「療育」はその子の多様性を否定するのか?私が願うニューロダイバーシティの未来』

2018年12月13日 07:30

「療育」はその子の多様性を否定するのか?私が願うニューロダイバーシティの未来


息子が受けた療育と私の思い

「療育」はその子の多様性を否定するのか?私が願うニューロダイバーシティの未来の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038009481

私の息子は自閉症スペクトラム障害と診断を受けてすぐ、3歳になると同時に早期療育を受けました。専門家から「早期療育を受けてください」と言われたのです。

私はすぐに言語療法や音楽療法にアプローチし、息子にできる限りの療育を授けました。特に助けられたのはABA(応用行動分析学)でした。人と目を合わせる、人の模倣をする、人の話に耳を傾けて適切に返答をする…等々、「好ましい行動」を増やし、「好ましくない行動」を減らしていく方向で療育を進めました。

それまでただただ手こずった息子の育児が、療育を受けて大きく変わりました。

息子の表現力やソーシャルスキルが格段に上がったことで、パニックになることもなくなり、行動の幅もグーンと広がりました。それまで苦手だった他者との協力ができるようになったことで、出かけられる場所もやれることもどんどん増えていきました。
療育を受ける前の息子は、他者との協力など全く受けつけない子どもだったため、親子で何かを一緒に楽しむということがほとんどできなかったのです。

あの療育があったから、今の息子と私の生活があると思っています。療育は私たちと同じような親と子を救ってくれているに違いない。そう思っていた私にとって療育について別の考え方があるなんて思ってもみないことでした。


ある小説から調べ始めた「ニューロダイバーシティ」

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療育に対する別の考え方との遭遇…。

それは、自閉症スペクトラム障害の子どもが主人公の海外小説を読んでいたときのことです。

その小説の主人公の男の子は、幼少期から多くの療育を受け、普段の生活でも努力して「好ましい行動」をし続けていました。療育で教わった通りの行動をすると、家族は喜びます。
すると、主人公の男の子が母親にこう言うのです。「自閉症(発達障害)は治すべき病気なの?」そして、自閉症は「ニューロダイバーシティ」の一つなのだと母親に訴えるのです。

私はこの場面を見て、「ん?」と手が止まりました。小説の中で使われている「ニューロダイバーシティ」

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