2019年2月28日 14:00
「他の子はもうできるのに」の親心、ホントに必要?私が苦手の克服は美徳ではないと思う理由
今できなくても、大人になれば「帳尻」が合うこともある
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038019791
人の「発達」は、必ずしも連続的に右肩上がりに伸びるとは限りません。ある時期まで全くできなかったのに、ある時期から急にできるようになる、ということがあります。
たとえば、排泄の自立を考えてみましょう。
読者のみなさんの中には、オムツを1歳で取ってしまった人もいれば、4歳頃まで取っていなかった人もいると思います。もし4歳までオムツが取れなかったとしても、大人になってそのことを恥だなどと思っている人はまずいないでしょう。
ところが、4歳までオムツが取れなかった人の場合、2歳でまだオムツが取れていなかった頃、その人の親はとても心配していたかもしれません。オムツが取れている子が周りに着々と増えてきているのに、「うちの子はまだ取れていない」と焦るわけです。
でも、大人になってから振り返れば、オムツがいつ取れたかなど、どうでもいい話。
後になって考えるとムダな焦りだったと言えるかもしれません。
同じようなことが、発達障害の人の場合にもあるのです。
あいさつできない発達障害の子どもたちは問題なのか
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10417007551
たとえば、あいさつを考えてみます。発達障害(とくに自閉スペクトラム症)の人たちの多くは、4〜5歳だと、まだ自発的にきちんとあいさつすることはできません。しかし、大人になると、職場などでのあいさつはある程度上手にできるようになります。
いったんできるようになってしまえば、いつからできるようになったかは問題になりません。ところが、まだあいさつができない時期に、親や周囲の人たちは、それを問題にしがちです。
私の印象では、発達障害の人が周りに目を向けて、社会的に行動することに気を配り始めるのは、中学生以降であることも珍しくありません。
5歳頃、ほかの子どもたちがにこやかにあいさつを交わしている中で、発達障害の子どもはあいさつを無視してしまったり、あいさつなどしないで、いきなり本題に入ってしまったりするわけです。そうすると親は気にして、「きちんとあいさつをしなさい!」