2019年4月5日 07:00
ポイントは3つ!自閉症の息子の「できる!」を育んだ練習法
自閉症の息子ができることを増やしたい
『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。
息子が特別支援学校高等部3年生だった時のこと。私はリンゴの皮むきをしていて、ふとこんなことを思いました。
「親である私がいつまでも切ってやるのでは、息子の自立を阻んでしまうのではないか?将来グループホームに入るにしても、これくらいは1人でできるようにならないと困るだろう。」
そう考えだすと、居ても立ってもいられなくなり…。私は、息子にリンゴの皮むきの練習をさせることにしました。
リンゴの皮むき、どうしたらできるようになる?
リンゴの皮むきを練習させるにあたり、私にはひとつ心配事がありました。それは、「息子が練習の途中で上手くできず、私がダメ出ししたなら、パニックになってしまうだろう」ということです。
それはそうですよね。
できない課題を与えられて、一生懸命に取り組んでいるのにダメ出しされてしまうのでは、人間誰しも心が折れてしまうと思います。「今度は失敗しないように頑張ろう!」という前向きな気持ちには、なかなかなれないでしょう。
そこで私は、いきなり高い目標を掲げるのではなく、スモールステップで成功体験を積みながら次の課題へと進んでいけるよう工夫してみました。
わが家で実践したリンゴの皮むきの練習法
Upload By 立石美津子
「〇月になったらリンゴの皮むきを練習しよう」と、1ヶ月前から予告しました。わが家の場合、息子は学校生活最後の高等部3年生でしたので、「就労の実習も始まるし、だんだんと大人に近づいてきているから、リンゴの皮むきを練習しよう」というように話をしました。
まず、リンゴを半分に切る練習をしました。リンゴが大きすぎたり形がいびつだったりするとうまく切れないので、同じ種類で、なるべく切りやすそうな形のものを買ってくるなど、準備にも気を配りました。
ここでのゴールは、とにかく「2つに切る」ということだけです。
大きさがバラバラに切れてしまったりしても何も言わず、ただ切れたことだけをオーバーに褒める。そして翌日からは「昨日よりも上手く切れたね!」と褒めちぎることを心がけました。
Upload By 立石美津子
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半分に切ったものを更に半分に切って、4分の1にする練習をしました。