2019年11月1日 07:00
自閉症息子に「思いやりの嘘」をどう教える…!?親子でシミュレーションしてみたら
”思いやりの嘘”はいい嘘?
「子どもに対して、嘘は悪いことだと教えますか?」と聞かれれば、大半の人はYESと答えるのではないかと思います。そんな風に基本的には“良くないもの”とされている嘘ですが、例外的に“思いやりの嘘は良いもの”とされていることは多いようです。
Upload By 丸山さとこ
そんな“思いやりの嘘”ですが、「思いやりの嘘も結局は嘘。コウ君に対しては嘘は全て悪いものと教えた方がよい。」と、スクールカウンセラーさんから言われたことがあります。発達障害児は嘘の使い分けができないからしない方が良いという理由でした。
実際、発達障害児にはケースバイケースでルールを使い分けることが難しい子もいるだろうと思います。コウにもそういうところはあり、その人の言うことはもっともだと思いました。
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ただ、「その通り」と思う一方で、子ども向けの書籍には“思いやりの嘘”を良いものとする記載が多いことも気にかかりました。「じゃあ、この本にかかれていることは間違っているの?」という疑問が出ても困りますし、クラスメイトなどに対して「思いやりでも嘘は嘘なんだよ」と注意すればトラブルにもなります。
しばらく悩んだ末、
・人を傷つけるような内容のことは、言わなくてすむのであれば言わない。
・言う必要がある時は思いやりの言葉を添える。
という方法を教えることにしました。
シミュレーションしてみよう!
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“友達にもらった手作りクッキーが美味しくない”という状況を想定して、コウと一緒にシミュレーションしました。
まずは味という”結果”ではなく「どうやって作ったの?」「1人で作るなんてすごいね!僕もお母さんと作ったことあるんだけど、今度一緒に作らない?」などと”過程”について話します。
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それであれば、過程について褒めたり感心したりすることだってできるかもしれません。味という出来栄えについて触れていないので、味について嘘をいう必要もありません。
味について聞かれたら、正直に「僕には少し硬いかな」などと答えつつ、「でも、1人で作ったなんてすごいね。」「作ったものをもらえてうれしい。」などの“本心から外れていないこと”を答えて思いやりを伝える方法を提案してみたところ、コウは気に入ってくれたようです。